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2021 年度 実施状況報告書

社会的養護の比較歴史社会学的研究――日韓比較を通じた分析枠組みと指標の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K02303
研究機関日本女子大学

研究代表者

野辺 陽子  日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (50722518)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード社会的養護 / 里親 / 施設 / 親族 / 養子縁組
研究実績の概要

2年目にあたる今年度は、主に1990年以降の韓国の養子縁組制度の展開と、養子縁組の隣接領域(家庭委託、難任治療)について文献調査を行った。先行研究レビューに加えて、統計、保健福祉部資料、各法案、国会会議録を収集した。収集した資料を用いて、①儒教イデオロギーを背景にした父系出白観念が(国内)養子縁組を阻害しているという解釈を問い直す、②韓国の〈血縁〉の動態について日本の状況と比較する、という2つの作業を行った。作業の結果、①「必ずしも子どもはいなくても良い」「子どもがいてこその家族」「夫婦の愛の結晶としての子ども」「父方の姓を継ぐ子ども」という意識が混在していること、②父子の間の生物的関係より婚姻関係のなかで父の姓を継ぐ子どもが登録されることを重視する意識、という2つの仮説から、さらに「規範の優先順位に関する複数のパターン」というより上位の仮説を得た。今後はインタビュー調査を通じてこの仮説を検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本課題の初年度からコロナ過となり、対応に追われて課題に取り組む時間が取れなかったことに加えて、コロナで現地調査ができないため。

今後の研究の推進方策

今後は、①文献(特に社会的養護や子どもの権利に関する文献など)をより広く収集し、養子縁組を観測点にしながらも、制度間の相互関連を検証する、②当事者(養親、養子、実親、委託母、不妊当事者など)へインタビュー調査を行い、制度と実践の関係について検証する、という2点を主に行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナのため、渡航ができず、現地調査ができなかったため。今年度の未使用額は次年度、可能なかぎり渡航し、現地調査を行って使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 非血縁親子の動態から読み解く、韓国の<血縁>の現在2022

    • 著者名/発表者名
      野辺陽子
    • 学会等名
      東京大学コリア・コロキュアム
    • 招待講演
  • [学会発表] 〈血縁〉の比較社会学・試論――日韓の〈子どものため〉の養子制度の展開からみる〈血縁〉2021

    • 著者名/発表者名
      野辺陽子
    • 学会等名
      第14回 「少子化に揺れる東アジアの父系理念」科研研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本の養子縁組からみる〈血縁〉の動態 ――法制度・運用・当事者への調査から2021

    • 著者名/発表者名
      野辺陽子
    • 学会等名
      科学研究費補助金 基盤研究(B) 「結婚の歴史再考 ――フランスの事例からみる(ポスト)結婚、生殖、 親子、家族」
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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