研究実績の概要 |
2023年度は、地域を基盤とした支え合いの仕組みである「タイムバンキング」に関する米国での現地調査を実施し、タイムバンキングの活性化要因と課題について検討を行った。具体的には、「TimeBanks Org」と「Michigan Alliance of timebanks」の関係者(CEO,コーディネーターなど)を対象にインタビュー調査を行うと共に、両団体が主催する勉強会やセミナーなどに参加し、実践者や参加者からも活動の状況についてお話をうかがうことができた。また、共同研究者のPark Sunggeun氏(ミシガン大学助教授)のネットワークを通じて、ミシガン州の複数のタイムバンキング組織においてフィールドワークを行った。 研究期間全体を通じて実施した主な研究の成果は以下の通りである。 1)日韓における社会起業による地域活性化や社会的弱者への就労支援に関する事例調査を通して、ソーシャルワークにおける開発志向の必要性やその効果を検討することができた。2)社会福祉法人やNPO法人などの福祉サービス組織における開発型ソーシャルワーク実践の現状や課題について実証分析を行うことができた。3)地域を基盤とした支え合いの仕組みである「タイムバンキング」について、日本、韓国、米国における実施状況や課題を踏まえながら、活性化要因について検討することができた。なお、この研究課題は、基盤研究Cに加え、「若手研究における独立基盤形成支援」を受けることができたため、当初の日韓比較研究から日米韓比較研究として研究対象や地域を拡大して行った。
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