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2022 年度 実績報告書

うつ病を発症に関わるミクログリア活性化に対する大腸水素の作用を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 20K02325
研究機関名寄市立大学

研究代表者

山本 達朗  名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (90379389)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード大腸水素 / うつ病 / ミクログリア
研究実績の概要

本研究の目的は、『「腸内細菌叢が食物繊維を基質として生成する水素は、うつ病などに見られる脳内ミクログリアの活性を軽減する」という仮説を証明し、腸内発酵を活性化させる食物の摂取によって社会的ストレスなどに起因する精神疾患の治療や発症予防に貢献する研究を行うこと』である。この目的に従い、2021年度は、うつ病モデルマウス(社会的敗北マウス)の作出とフラクトオリゴ糖を摂取時のうつ症状発症との関係について解析し、フラクトオリゴ糖摂取による大腸水素生成がうつ病の発症を抑制している傾向が示された。しかし、明確な差として示されなかったことから、2022年度は個体数を増やして検討を行ったところ、レジリエンスを除いた脆弱個体において、大腸水素と社会的相互作用の指標であるインタラクションスコアとの間に正の相関が観察され、大腸水素を多く生成する個体は、ストレス負荷された状態でも社会的行動が改善することがわかった。また、ストレス負荷時に増加する血漿中のIL-6は、大腸水素生成個体で減少していることが示され、血漿中のIL-6濃度と社会的相互作用スコアの間には負の相関が観察されたことから、大腸水素の生成は、ストレス負荷によって生じる脳を含めた全身的なIL-6の発生を抑制することで脳における炎症の惹起も抑制されていることが示唆された。実際、大脳皮質のミクログリアの形態について、Iba1を用いた免疫組織化学を行い、発現細胞の面積について比較したところ、全体の群間には差が認められなかったが、脆弱個体における大腸水素とIba1発現面積の間には正の相関が認められ、大腸水素は脆弱個体において脳内炎症を抑制していることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 大腸水素はうつ病モデルマウスの脆弱個体に対して抗うつ作用を示す2023

    • 著者名/発表者名
      山本達朗, 奥谷紗羽, 杉山夏菜, 糸澤久美, 田邊宏基, 豊田淳, 西村直道
    • 学会等名
      第128 回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] うつ病モデルマウスを用いた大腸水素の抗うつ作用に関する行動学的分析2022

    • 著者名/発表者名
      山本達朗, 杉山夏菜, 糸澤久美, 田邊宏基, 豊田淳, 西村直道
    • 学会等名
      第76回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] 大腸水素高生成若齢マウスにおける海馬CA3領域細胞層の増加2022

    • 著者名/発表者名
      山本達朗,前谷柚花,田邊宏基, 西村直道
    • 学会等名
      第52回日本栄養・食糧学会北海道支部会

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公開日: 2023-12-25  

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