研究課題/領域番号 |
20K02327
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
大平 肇子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20259386)
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研究分担者 |
市川 陽子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (30805453)
齋藤 真 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (70178482)
辻 まどか 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (90846338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | テレワーク / 子育て世代 / 仕事環境 |
研究実績の概要 |
テレワークは情報通信技術を活用した、場所や時間を有効に活用する柔軟な働き方で、女性にとっては家事・育児と仕事の両立の実現の側面から魅力的な働き方である。一方、自宅での仕事環境の制約による効率の低下や疲労の蓄積、長時間労働になりやすいことや仕事と生活の時間の区別が曖昧になることなどが懸念される。女性が健康な心身を保ちテレワークに従事するためには、生活スタイルや睡眠時間の確保などセルフマネジメントが重要となる。しかし子育て世代に焦点を絞り、ワーク ・ライフ・バランスの視点から健康に言及する研究はほとんど見当たらない。 そこで、本研究は、子育て世代の女性テレワーカーの健康に影響する要因をテレワークの働き方の特徴、家庭生活、ワーク・ライフ ・バランスの視点から明らかにすることを目的とした。 令和2年度は子育て世代におけるテレワークの仕事環境についてインタビュー調査を計画し、研究倫理審査会の承認を得た後、インタビューを開始した。女性テレワーカーを対象に、在宅勤務における仕事(作業)環境、作業姿勢、ICTの整備状況、作業時に生じる自覚症状、家族の反応等に関するインタビューを実施し、現在データを収集している。インタビューに先駆け実施したプレインタビューでは「自宅ではリラックスして仕事ができ効率が良い」「自宅にいる時間が長く、家事と仕事の両立がしやすい」などメリットが語られた一方、「緊急事態宣言下で急遽、テレワークを実施した。自宅ではキッチンテーブルでパソコン作業をしている」「自宅の椅子が硬く長時間の作業では腰が痛い」などの作業環境の課題も語られた。今後、インタビュー調査を継続して実施し、収集したデータは質的分析を行い、在宅勤務における仕事環境の課題を抽出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2~3年度にかけて、子育て世代におけるテレワークの仕事環境の課題を明確にする目的で、女性テレワーカー約10人を対象にインタビュー調査を実施し、女性テレワーカーの仕事環境の課題を抽出する計画である。現在、インタビュー調査を開始しており、今後もインタビューを継続する見込みであり、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
女性テレワーカーを対象としたインタビューを継続するとともに分析を開始する。令和3年度は子育て世代の労働者を対象者として、テレワークという働き方の特性と家庭生活、ワーク・ライフ・バランスが健康状態に与える影響について質問紙調査の準備を開始する。調査の枠組みは、「テレワークによる労働」「ワーク・ライフ・バランス」「家庭生活」「健康・メンタルヘルス」「ヘルスプロモーション」「QOL」などから構成し、相互の関連を検討する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の執行は、参加を予定していた学会等が新型コロナウイルス感染症の影響で中止またはオンライン開催となったため、旅費が不要となった。インタビュー調査にかかる人件費・謝礼等(研究参加者への謝礼やインタビュー録音データの反訳費用など)は、令和2年度のインタビュー実施人数が少なかったため、予算の執行が抑えられた。インタビューは令和3年度も引き続き実施し、研究参加者の人数に応じて適切に予算を執行する。
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