研究課題/領域番号 |
20K02327
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
大平 肇子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20259386)
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研究分担者 |
市川 陽子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (30805453)
齋藤 真 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (70178482)
辻 まどか 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (90846338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | テレワーク / 子育て世代 / WEB調査 |
研究実績の概要 |
テレワークは情報通信技術を活用した、場所や時間を有効に活用する柔軟な働き方で、女性にとっては家事・育児と仕事の両立の実現の側面から魅力的な働き方であるが、健康な心身を保ちテレワークに従事するためには、生活スタイルや睡眠時間の確保など健康管理が重要となる。新型コロナウイルス感染症の蔓延下において急速に普及したテレワークであるが、その働き方の特徴や生活の実態は把握されていない。 令和3年度は子育て世代テレワーカーにおいて性別による働き方の特徴を明らかにすることを目的に、テレワーカーの生活と健康管理の実態を調査した。男女テレワーカー1,000人を対象に質問紙調査を行った。対象者は、調査会社に委託しインターネットモニターを通して募集した。 その結果、テレワークの頻度は全体として「週に2~3回」実施する者が273人(27.3%)で最も多く、うち女性は141人であった。テレワークの頻度と性別の間には有意な関連が認められた(P<0.05)。テレワークに要する時間は男性7.35±2.42時間、女性6.06±2.39時間で有意に男性の方が長かった(P<0.01)。一方、家事・育児に要する時間は、男性2.48±1.80時間、女性4.94±2.74時間で有意に女性の方が長かった(P<0.01)。主観的健康感と性別との関連を検討した結果、有意な関連が認められ、女性の方が健康と感じている割合が多かった(P<0.05)。 1日のうちテレワークに要する時間は、男性は女性に比べて有意に長く、一方、家事・育児に有する時間は女性の方が有意に長いことが認められた。自宅でテレワークをする場合、男性は仕事に専念しやすくなるが、女性は家事と仕事のバランスをとっていることが推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年は、質問紙調査にかかる計画を立案し、研究倫理審査を受審後、調査に着手した。令和3年度中に調査を終了し、現在、その結果を分析中である。研究は計画通り進んでおり、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に調査した結果を引き続き分析する。令和4年度は性別によるテレワーク時間と家事・育児時間の差異の詳細、新型コロナウイルス感染症に伴いテレワークを開始したものと、それ以前からテレワークを実施していたものにおける働き方の違い、ワーク・ライフ・バランスの得点との関連および健康行動との関連を中心に検討を進める。 また令和2年度から実施しているインタビュー調査を継続し、テレワークにおける生活の実態をより詳細に分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の執行は、参加を予定していた学会等が新型コロナウイルスの影響で中止またはオンライン開催となったため、旅費が不要となった。WEB調査にかかる費用は、入札等の手続きを行うことで、当初計上した予算より抑えられた。また調査結果の入力やデータ整理は研究分担者で行ったため、当初計上していた謝金が不要となった。 令和4年度は、令和2年度から継続しているインタビュー調査を引き続き実施し、研究参加者の人数に応じて適切に予算を執行する。
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