研究課題/領域番号 |
20K02327
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
大平 肇子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20259386)
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研究分担者 |
市川 陽子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (30805453)
齋藤 真 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (70178482)
辻 まどか 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (90846338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | テレワーク / 子育て世代 / ワークライフバランス / 主観的健康感 / 健康生活 |
研究実績の概要 |
テレワークは柔軟な働き方として注目され、家事や子育て・介護と仕事を両立し働くことができる。一方、1日の中で家事や育児を終えた後、仕事を開始する夜間型労働が多くなることも危惧され、労働管理とともに健康管理が重要となる。特に子育て世代における健康生活に視点をあてた研究はほとんど見当たらない。本研究は、子育て世代テレワーカーを対象に働き方の特徴、主観的健康感、健康行動等の視点から検討した。 令和5年度は、令和3年度に実施した子育て世代テレワーカーの生活と健康管理にかかるアンケート調査の結果の分析を進め、主観的健康感に関連する要因に関して、男女間の相違について明らかにした。研究対象者はテレワークを行ったことがある労働者1000人(女性500人,男性500人)であった。調査項目は、主観的健康感、ワーク・ライフ・バランス、生活習慣、健康行動などであった。主観的健康感に関連する要因を検討するため,健康群わけ(健康群を1,非健康群を0)を従属変数とし,生活習慣,健康行動,ワーク・ライフ・バランス尺度得点の各項目を独立変数とし、ロジスティック回帰分析を行った。その結果、主観的健康感に関連する項目は男女間で違いがみられた。男性は、「結婚」、「地域の活動に参加する」、「気持ちをなるべく明るく持つ」、「20歳の時の体重から10キロ以上増加」、「仕事から家庭ネガティブスピルオーバー」などが抽出された。女性は、「規則正しい生活を送る」、「気持ちをなるべく明るく持つ」、「人と比較して食べる速度:遅い」、「睡眠で休養は十分とれている」が抽出された。子育て中のテレワーカーにおける健康管理は、男性には地域社会とのつながりや身体活動や運動の保持が重要である。女性には規則正しい生活を送ることが重要であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度に実施したアンケート調査について、アンケートから得られた数値データの分析は概ね順調に進んでいる。自由記載から得られたデータは、今後、さらに詳細な分析が必要であるが、分析は概ね終了し、公表の準備に取り掛かっている。そのため、進捗状況は順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進としては、主に学会での発表および論文発表を順次行う。現時点で得られた研究成果から、子育て世代テレワーカーの主観的健康感は性別により異なることが明確となった。今後は、より健康生活を送るためのセルフケアや対策における性別による違いの有無などを検証する必要がある。これらの結果を統合し、健康生活に必要なセルフマネジメントについての提言を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査結果の入力やデータ整理は研究分担者で行ったため、当初計上していた謝金が不要となった。また結果の分析に時間を要し、論文投稿が次年度になったため、当初計上していた投稿に係る諸経費を次年度へ繰り越した。
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