研究課題/領域番号 |
20K02342
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森島 美佳 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50369518)
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研究分担者 |
三野 たまき 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00192360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マスク / パターン / フィット |
研究実績の概要 |
本研究では,「高い性能と感性評価を有する衛生用マスクを,より多くの人々に提案すること」を長期目標としている.衛生用マスクは,「鼻と口の部分と外的環境とを隔て,保護する」ことが重要な要求性能であり,疾病予防や対策として日常生活で用いられる便利な衛生用品の一つである.しかしながら,一人ひとりの鼻と口部分が外的環境から隔てられるために必要な高いフィット性能を有するユニバーサルな衛生用マスクの形状,サイズ,素材は明らかでない.本課題では,様々な頭部形状を有する者すなわちこれまで対象としてきた日本人若年者だけでなく諸外国の若年者や異なる世代を対象とし,頭部形状および衛生用マスクに対する意識の差異を精査し,高い性能と良好な着け心地を有する衛生用マスクを,より多くの人々に科学的根拠に基づき提案することを目的とする. 本課題では,(1)マスク着用者の意識調査を行い,実態を明らかにする.また、市販マスクを用い,ノギスおよび三次元動作解析装置を援用して「隙間分布」の観測を行い,物理的な観点から解決すべき問題を把握する.これらの問題解決に向けて,(2)頭部形状の計測を行い,マスクのパターン(型紙)を解析する.そして,解析パターンに基づいてマスクを試作し,解決策を具現化する.さらに,(3)着用時の試作マスクの「隙間分布」の観測と感性評価を計測し,最適マスクの選定と(1)で把握したニーズと対応させていく.本課題の遂行により,ユニバーサル衛生用マスクのデザイン,素材製作法,着け心地への感性評価が明らかとなり,「自己の健康管理」促進の一助となることが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況として,日本人大学生および外国人留学生を対象として,新型コロナウィルス感染拡大前に実施したマスク着用者の意識調査の結果を,対応分析により解析した.その結果,日本人と留学生間および性差間には,マスク着用に対する意識や嗜好性が異なることが本調査により明らかにすることができた.本検討結果の一部について,学術論文にまとめることができたため,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として,マスク口当てシートおよび顔面間の隙間分布について,ヘッドマネキンを用いて検討していく予定である.さらに,着け心地および隙間を考慮し,シートパターン(型紙)の改良を進めながら,適合する人数範囲の検討を進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に投稿した論文については,投稿費用を要しなかったため次年度使用額が発生した.今後の成果発表費の一部に費やす予定である.
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