研究課題/領域番号 |
20K02355
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研究機関 | 飯田女子短期大学 |
研究代表者 |
友竹 浩之 飯田女子短期大学, 家政学科, 教授 (90300136)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 蕎麦の実 / レジスタントプロテイン / 高脂肪食 / 焙煎 |
研究実績の概要 |
蕎麦は、消化抵抗性タンパク質(レジスタントプロテイン)を多く含み、脂質代謝改善作用をもつことが報告されている。本年度の研究は、そば実の肥満・糖尿病改善作用について、詳細に検討するため、動物実験およびヒト介入試験の実施条件を検討することを目的とした。(実験1)カゼインをタンパク質源(17.4%)とした飼料および、雑穀粉末を10%添加した(1高脂肪(30%)飼料でラット(SD系雄4週齢)を3週間飼育した。その結果、各ラットの飼料摂取量は一定であったにもかかわらず、雑穀粉末群の体重増加量がカゼイン群に比べて有意に低くなった。一方、血清および肝臓中の脂質(コレステロール、中性脂肪)や脂肪組織重量には、有意な差がみられなかった。(実験2)カゼイン、粉豆腐をタンパク質源(17.4%)とした高脂肪(30%)飼料でラット(SD系雄4週齢)を3週間飼育した。その結果、実験1の結果と同様に、粉豆腐群の体重増加量がカゼイン群に比べて有意に低くなった。一方、粉豆腐群の褐色脂肪組織重量は、カゼイン群に比べて有意に増加していた。 以上のことより、雑穀や植物性タンパク質は、高脂肪食摂取ラットの肥満を抑制する可能性が示唆された。また、植物性タンパク質の肥満抑制作用のメカニズムの1つとして、褐色脂肪組織の増加による基礎代謝量の亢進が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダッタンそばの実の粉末化に時間がかかっており、動物実験に必要な量が確保できなかった。 一方、他の飼料を用いて、実験の条件を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ダッタンそば実の粉末を添加した飼料を用いて、肥満モデル動物実験を実施する。 ヒト介入試験についても、条件検討のために予備的な試験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の飼料の調製が間に合わず、条件検討のための実験しか実施できなかった。
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