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2020 年度 実施状況報告書

衣服内換気の最適化に基づく快適被服デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 20K02364
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

島崎 康弘  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20584270)

研究分担者 齋藤 誠二  岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70452795)
傳法谷 郁乃  神奈川大学, 工学部, 助教 (00782301)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード衣服内気流 / 伝熱特性 / 動態解析 / 被服設計 / 人体快適性
研究実績の概要

被服は温熱環境六大要素の一つであり,人体温熱状態や快適性に大きな影響を及ぼし,クールビズなどエネルギーの観点よりも注目が集まっている.ヒトは被服することにより「衣服(内)気候」と呼ばれる人体と衣服,また衣服と衣服との間に生じる微小な空気層が外環境とは異なる温度・湿度・気流を形成するため,気流を伴う衣服内換気や衣服気候形成さらには温熱快適性を統合的に理解することで被服デザインを最適化することが可能となる.
そこでまず,衣服内気流の形成メカニズムや熱伝達特性,その影響因子や影響度についてPIV(Particle Image Velocimetry:粒子画像流速計)およびCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)を用いて把握する試みを行った.人体形状をスケールダウンした発熱型人体形状模型により,気温などの外部環境条件,被服のフィッティング,被服形状の衣服内換気流速や温度・湿度分布に与える影響を測定した.衣服内換気の最適化にむけてCFDを用いて衣服内の気流速や温度・湿度を適正に保つために適した形状の検討を行った.
他方,これらの基礎的な検討を基にして今後,実際の快適ウエアを実現するための準備を合わせて進めている.実生活で真に活用できる被服を創造するため,人体形状や被服としての機能および素材,加工性の実現性について検討した.また,着衣設計に被服者の形態・動態特性を生かすために,3次元モーションキャプチャーにより生活の場における挙動を評価する手法の検討及び準備を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

衣服内空気層の換気機構に着目し,衣服気候の可視化・数値シミュレーション手法により空気性状を把握する点においては順調に進められている.しかし,人体特性や形態計測において被験者実測が求めれるものの,新型コロナウイルス感染症拡大の影響による活動制限により実験が十分に進めることができない状況にあった.

今後の研究の推進方策

環境や人体の様々な影響により形成される衣服内空気層の状態から人体熱収支・温熱状態(環境-被服-人体系)を総合的かつ定量的に評価できる手法を開発を進める.
いくつか具体的な被服製作を行い,設定された条件においてその際の動態解析に基づき人間機能的快適性向上についても方策を定めていく.新型コロナウイルス感染症拡大に留意しつつ,実際の着用試験を実施し検証を行う.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,実地実験や打ち合わせ,学会発表等の見合わせとなったものがあり,主に旅費や謝金で未使用は生じた.
感染状況を見つつ,オンラインで行えるものはそのようにし,実地実験は方法を工夫して当初通りに実験等が実施できるように計画する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] EXPERIMENTAL INVESTIGATION ON EFFECTS OF CLOTHING VENTILATION ON THERMAL COMFORT2021

    • 著者名/発表者名
      Ryunosuke ANDO, Yasuhiro SHIMAZAKI
    • 学会等名
      15th ROOMVENT Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 垂直および水平開放端流路モデルの空気層幅が内部空気に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      児玉壮,島崎康弘
    • 学会等名
      令和2年度(第22回) 空気調和・衛生工学会中部支部学術研究発表会
  • [学会発表] サイズの異なる衣服が人体温熱環境に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      安藤竜之介,島崎康弘
    • 学会等名
      令和2年度(第22回) 空気調和・衛生工学会中部支部学術研究発表会
  • [学会発表] 機能性着衣による温熱環境改善効果(その1) 着衣人体温熱環境評価手法の提案2020

    • 著者名/発表者名
      安藤竜之介,島崎康弘
    • 学会等名
      2020年度日本建築学会大会学術講演会
  • [学会発表] 機能性着衣による温熱環境改善効果(その2) 夏季フィー ルド測定結果2020

    • 著者名/発表者名
      島崎康弘,安藤竜之介
    • 学会等名
      2020年度日本建築学会大会学術講演会
  • [学会発表] 円筒型二重構造模型を用いた内部空気の実験的把握2020

    • 著者名/発表者名
      児玉壮,島崎康弘
    • 学会等名
      2020年度日本建築学会大会学術講演会
  • [備考] 豊橋技術科学大学 教員紹介

    • URL

      https://www.tut.ac.jp/university/faculty/ace/post_55.html

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公開日: 2021-12-27  

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