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2020 年度 実施状況報告書

ヨモギ由来の新奇抗菌成分を用いた健康低リスク・環境低負荷な革新的体臭予防剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K02377
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

高屋 朋彰  小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90515553)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードヨモギ属植物 / Artemisia / 抗菌効果 / デオドラント作用 / 環境低負荷
研究実績の概要

本年度は、腋臭原因菌を選択的に抑制するヨモギ由来新奇抗菌成分の精製条件を確立することを目的として検討した結果、以下の結果が得られた。 (1)逆相クロマトグラフィー(RP-HPLC)を用いた前処理により非吸着画分として得られていたヨモギ由来の抗菌成分(部分精製物)について、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)カラムを用いた精製を検討した結果、極性が高いため初期の移動相への溶解性が低く、分離が困難であることを明らかにした。(2)そこで高極性化合物の分離に適したODSカラムを新たに用いることによって、非吸着画分として得られていた部分生成物から28個のピークを検出し、その画分を得ることに成功した。(3)得られた 28個の画分を濃縮し、腋臭原因菌に対する抗菌性試験を実施した結果、画分1、 4、 5、 6、 7、 および14から抗菌活性を検出できた。(4)抗菌活性を検出した画分について、薄層クロマトグラフィー(TLC)による展開、およびUV検出(254 nm、352 nm)やニンヒドリン発色法による検出を行ったところ、画分1、5、6、7、14は254 nmに吸収をもつこと、画分4、7、14は352 nmに吸収をもつことを明らかにした。さらに、ニンヒドリン反応では画分1は赤紫色、画分4、5、7は黄~橙色に発色したことから、得られた6つの画分に含まれる成分の分離を達成し、特に画分1、4、5、7は第1級アミンや第2級アミンを有する成分であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヨモギから抽出・部分精製して得られた抗菌成分について、さらに6種類の親水性抗菌成分に分離することに成功し、その紫外可視吸収特性や官能基の種類に関する知見が得られたことから,概ね予定通りの研究成果が得られており,研究の2020年度の目的はおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

当初の研究の目的に沿って、ヨモギ抽出物を出発材料として各種クロマトグラフィーによって得られた抗菌成分を含む画分から、さらに6つの親水性抗菌成分の精製に成功した。そこで2021年度は精製したこれらの画分を質量分析計、核磁気共鳴装置、フーリエ変換赤外分光光度計を用いてその化学構造を解明するとともに、その抗菌活性や最小発育阻止濃度(MIC)について明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 腋臭発生要因菌を抗菌する植物成分の探索およびその精製と解析2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川 空、大川 全、高屋 朋彰
    • 学会等名
      第6回関東磐越地区化学技術フォーラム、B-15

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公開日: 2021-12-27  

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