研究課題/領域番号 |
20K02384
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
笠巻 純一 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00456344)
|
研究分担者 |
西田 順一 近畿大学, 経営学部, 教授 (20389373)
松本 裕史 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (20413445)
宮西 邦夫 新潟県立大学, その他, 名誉教授 (70018836)
笠原 賀子 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (90194711)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 生活習慣 / 食行動 / 飲酒行動 / 健康行動 / 大学生 / 行動変容 / 縦断的研究 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、学生の栄養素等摂取及び飲酒状況等の評価に基づき、健康行動の課題を明らかにするとともに、健康行動の変容を促す環境要因を解析して、健康支援策の推進につなげることを目的としている。 2年次(2021年度)においては、過年度から実施している大学生等を対象にした縦断的な生活習慣調査(アンケート)の結果に基づき、飲酒行動に与える「飲酒に伴う恩恵(Pros)」への認識、「飲酒に伴う損失(Cons)」への認識について解析し、女子大学生の飲酒行動の変化と関連要因を検討した。 解析の結果、推定飲酒量は、1学年~2、3学年にかけて有意に上昇傾向を示した。学年の上昇とともに「飲酒に伴う恩恵(Pros)」の合計得点及び飲酒頻度は上昇傾向を示し、2、3学年において、両者に有意な相関が見られた。飲酒によって得られる恩恵の意識が高まると、飲酒頻度も上昇することが示唆された。2、3学年において、「飲酒に伴う損失(Cons)」の合計得点と飲酒頻度に有意な相関が見られ、飲酒に伴う損失の意識が高まると、飲酒頻度は低下することが示唆された。女子大学生の飲酒を抑制するための健康教育に飲酒行動の意思決定バランス(Pros/Cons)を活用できる可能性が考えられた。 現在、縦断調査結果に基づき、栄養素等摂取状況に影響する調理技術について検討している。また、男子学生の飲酒行動に関連して、喫煙行動に及ぼすPros/Consの影響についても、解析を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断調査データを有効活用した解析を進め、研究計画にしたがい学術論文として成果を公表した。
|
今後の研究の推進方策 |
学生の食生活改善を促す新規支援的環境要因の解明に向けて、栄養素等摂取状況に影響を及ぼす内的・外的環境要因について解析を進める。2022年度は、縦断調査の結果に基づき、①学生の調理技術、②食の嗜好性に焦点を当てて検討する。また、過年度の研究において明らかにした食行動、飲酒行動に影響を与える要因の検討に加えて、学生の喫煙行動に関連する恩恵(Pros)と損失(Cons)の認識について解析し、健康行動の改善に向けた健康支援策に関する示唆を得る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主な理由として、成果発表及び情報収集のために出張を予定していた学術大会への参加が、コロナ禍によるオンライン開催となり、出張費用を使用しなかったことが挙げられる。2022年度各種学術大会への参加及び論文投稿にかかる経費、研究推進に効果的な備品購入等に有効活用する。
|