研究課題/領域番号 |
20K02385
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
村上 陽子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40284335)
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研究分担者 |
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (30609293)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 和菓子 / 意匠 / 色彩 / 形状 |
研究実績の概要 |
本研究では、和菓子の意匠・色彩・形状について研究を行うものである。その目的は、第一に、和菓子の意匠・色彩・形状の関連性を解明すること、第二に、伝統の技と現代的技術の融合による食文化教材を作成し実践すること、第三に、これらにより、食文化の回帰と継承を目指すことである。本研究の必要性は、和菓子が我が国の重要な食文化でありながら、食の洋風化により喫食経験が減少していること、伝統的製法が衰退の危機にあること、食文化継承のための食育教材の開発・実践が少ないことが挙げられる。本研究は、文化的なアプローチと科学的なアプローチを行うという点において、新規性があるといえる。 本年度は、和菓子の意匠と色彩、形状について体系的な分析を検討した。方法として、文献調査を行い、和菓子の意匠と色彩、形状などを検討した。分析対象である和菓子について、水分含量と製法などの視点に基づき、生菓子(水分含量30%以上)、半生菓子(水分含量10~30%)、干菓子(水分含量10%以下)に分類し、各分類について「もち物、練り物、流し物」など、さらに種類を細分化して分析を行った。加えて、和菓子の色彩については、季節ごとの特徴を分析した。色彩については、種類によって各々特徴があることから、色彩の多様性についても着目した。多様な色彩が特徴である練り物については、上生菓子(練り切り、こなしなど)に関する分析を行った。 同様の調査を、干菓子、特に、打ち物(落雁など)について行った。干菓子については、型を使って調製されることから、形状を中心に分析を行うこととした。打ち物について、菓子型を3Dプリンタにて作成し、抜きやすさと硬さなどを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、概ね順調に研究が進んでいるため、これをもとに研究を継続していく。 具体的には、これまでの文献調査や市販の和菓子の調査により、和菓子の大分類(生菓子・半生菓子・干菓子)、および、生菓子と干菓子における種類・製法・ 形状・菓銘などの視点からの分類により、型の基礎資料が得られている。 また、実際に干菓子の型を作成し、その物性を検討している。 これらの成果については、調理学会などにおいて発表予定にある。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた結果について、さらに分析を進めるとともに、食文化教材の作成と検討を試みる。具体的には、先述したように、これまでの文献調査と市販の和菓子の調査により、和菓子の大分類(生菓子・半生菓子・干菓子)、および、生菓子と干菓子における種類・製法・形状・菓銘などの視点からの分類により、型の基礎資料が得られている。加えて、実際に干菓子の型を作成し、その物理特性を検討している。今後は、作成した干菓子の型を用いて、実際に干菓子(打ち物)を調製し、食嗜好性を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者がコロナウイルスの影響で出張できず、使用しなかったため。本年度は、授業実践の打合せ調査のための消耗品として使用する予定である。
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