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2020 年度 実施状況報告書

望ましい脂質摂取バランスのあり方の探究~胆石モデルマウスを用いた検討~

研究課題

研究課題/領域番号 20K02391
研究機関長野県立大学

研究代表者

横山 英子 (杉山英子)  長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (40242680)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードコレステロール / 中性脂肪 / リン脂質 / 糖脂質 / 肝臓 / 胆石
研究実績の概要

申請者はこれまでに、脂質代謝を制御する遺伝子であるPPARalpha遺伝子を欠損させたマウスに、高コレステロール食(1.5%コレステロール+0.5%コール酸)を継続的に投与することにより、ほぼ100%胆石を発症することを見出した。肝臓の炎症や肝臓への脂質の蓄積、肝肥大等ヒトの病態と似た症状を呈するので、このマウスが、なぜ、どのようにして胆石発症に至ったのか?を明らかにすることを本研究の目的とした。
コロナ禍という特殊な環境下のため、2020年度は、当初計画を変更し、比較的ルーチンに実施できるグリセロリン脂質やスフィンゴ脂質の抽出、定量、分析の実験を優先することとした。コレステロールを投与したマウスでは、野生型マウス、遺伝子欠損マウスとも、肝臓中の中性脂肪及びコレステロールの量が顕著に増えていることがわかった。
マウス肝臓からの脂質の抽出実験では、有機溶媒を用いるので、少量の溶媒を効率良く飛ばして濃縮することができる実験器具を購入した。抽出した脂質は、中性脂質と酸性脂質に分け、それぞれの脂質について、グリセロリン脂質の組成、スフィンゴ糖脂質の組成を調べている。すべての検体から脂質を抽出できたわけではないが、現在までに彫られている結果から、主な中性脂質には、ホスファチジルコリン、ホスフィアチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリンなどが観察された。酸性脂質としては、リン脂質のホスフィアチジルイノシトールのほか、糖脂質のGM2が認められた。さらに、コレステロール投与による脂質組成パターンの変化が認められている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度はコロナ禍の影響で、科研費交付直後から、リモート授業の準備や実施に多くの時間を費やし、開講が遅れたことで、夏休み中にも授業があったなど、実験に費やせた時間がかなり限られてしまったために、年度の後半から追い上げたが遅れは取り返せなかった。

今後の研究の推進方策

本年度は、残る検体からの脂質の抽出・分画を終了させて、一通りの脂質組成の分析を完了したいと考えている。コレステロール投与による脂質組成の変化の概要を明らかにする。大きく変化している分子については、機器分析によって詳細を調べていく。その上で、コレステロール代謝、リン脂質代謝、スフィンゴ脂質代謝の鍵となる分子の発現を調べていく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響を受け、学会がほぼ中止かオンライン開催となり、旅費が不要となったことで、大学から支給される研究費に余剰が出て本研究課題に関わる物品購入もそちらから支出できたことと、実施できた実験が当初計画よりも遅れてしまったことの2点が主要な理由である。
2021年度も、所属学会はほぼオンライン開催になる見通しであるため、2020年度に状況は似ているが、授業に関する状況は好転しているので、実験の遂行に必要な物品の購入に充てていく。

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公開日: 2021-12-27  

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