研究課題/領域番号 |
20K02410
|
研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
吉村 英一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 室長 (70613214)
|
研究分担者 |
古瀬 裕次郎 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (40826377)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 食欲 / 体重調節 / エネルギー調節 / 摂食感情 / 内因性カンナビノイド |
研究実績の概要 |
本研究は、レプチンや活性型グレリンといった食欲ホルモンと体重調節の関連の検討に加え、無意識レベルの摂食感情の揺らぎに関する指標として、血中の内因性カンナビノイド(アラキドノイルグリセロール)を評価し、体重、エネルギー摂取量との関連を横断調査によって検討した。健常な成人24名(男性11名、女性13名)を対象に早朝空腹時に身体計測、採血、官能検査を実施した。食事内容を食事記録法によって評価し、身体活動量は、活動量計を用いて評価した。また、調査前日の主観的心理尺度の評価を行い、起床後から就寝前まで経時的に評価した。内因性カンナビノイドは体重と相関関係が認められたが、エネルギー摂取量とは有意な関連が認められなかった。また、官能検査で評価した甘みの好みの閾値は関連が認められなかったが、チョコレートの匂いから誘導される主観的な食欲増進の度合いは内因性カンナビノイドとの間に有意な相関関係が認められた。このほか、血中の内因性カンナビノイドは、食欲ホルモン、血中の脂質項目等との間に有意な相関関係も認められた。本調査では、内因性カンナビノイドはエネルギー摂取量との関連を認めなかったが、体重、食欲ホルモン等との関連が認められたため、体重調節やエネルギー調節の観点から詳細に解析を進めているところである。また、性差がある可能性も示唆されたため、性別で追検討もしていく予定である。 このほか、5月から1月にかけて体重を経時的に評価し、食事、身体活動、食欲等の視点から体重変動と関わる要因を探索した。夏にかけて体重減少を示し、秋から冬にかけて体重は増加する傾向にあったものの、個人差が大きいことを明らかにした。また、食欲を含む摂食感情は体重変動と関わると仮説していたが、体重変動との有意な関連は認められなかった。今後、さらに追検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍の状況で研究デザインや手法等を含む研究構想は方向転換を余儀なくされたものの、研究デザインを変更した分、研究結果を予定したよりも早期にまとめることができ、計画以上に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の状況で研究デザインや手法等を含む研究構想は方向転換を余儀なくされたものの、概ね研究推進ができていると考えている。今後は研究成果をまとめていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会発表や研究打ち合わせを見込んでいたが、その費用を要さなかったため
|