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2023 年度 実施状況報告書

消費者の嗜好の多様性に対応した発酵調味料の品質特性の可視化技術

研究課題

研究課題/領域番号 20K02411
研究機関酪農学園大学

研究代表者

舩津 保浩  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90382481)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード発酵調味料 / 消費者 / 嗜好 / プリファレンスマッピング / 定量的記述分析法 / 道央地域 / 薄層クロマトグラフィー / メラノイジン
研究実績の概要

今年度は製品が消費者の嗜好性にどのように対応しているかを確認するため外的プリファレンスマッピング手法による市販魚醤油製品(A~L)の道央圏での消費者の嗜好性を調査した。また、魚醤油製品中のメラノイジンの薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析を行った。
まず、定量的記述分析法(QDA法)による官能評価で得られたデータをFIZZで解析し、主成分分析を実施した。道央圏在住の消費者パネル120名で7段階のヘドニック尺度で評価した。QDAの主成分分析図からGroup 1(G、I: 苦味・磯の臭い・アルコール臭・酪酸臭・酸臭)、Group 2(F、K、H、L: カラメル香・酸味・醤油香・みりん様の甘い香り)、 Group 3 (A、B、C、D、E、J: 燻製様香・うま味・コク味・塩味・甘味・たくあん臭・魚臭さ・焦げ臭・油焼け臭) に特徴がみられ、この中より6検体 (G、I、H、L、C、D) を消費者試験試料に選択した。選択試料の消費者試験データから3種類のモデルを用いた外的プリファレンスマップが作成され、モデルの選択により120名のうち、ベクトルモデルは107名のうち21名、円形モデルは6名中6名、楕円モデルは7名中7名が検証され、それぞれのモデルに反映された。2次元の製品マップ上に関連する消費者の関係性をみると、消費者の嗜好方向はGroup 2 (C、D) と3 (L、H) に多いが、Group 1 (G、I) への嗜好方向も一部で見られた。麹の添加有無、麹の種類や主原料の違いに消費者の嗜好方向はそれぞれ対応していた。
次にTLC分析で得られた画像をImageJで解析し、メラノイジンと諸因子の要約プロットを作成したところ、麹未使用試料(A~C)はメラノイジンと対応し、市販魚醤油試料(F、G、I) は抗酸化能(H-ORACなど)や総ポリフェノールの示す方向と良く対応していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は魚醤油製品(12検体)の消費者の嗜好性評価を道央、道南、道東地域で行った。現地で調査する際に道央では問題はなかったが、道東・道南ではそれぞれ11月の繁忙期や年度末で、消費者パネルを予定通り集めることができず、数回に分けて実施した。そのためデータ取集の際にトラブルも発生したため次年度に道南・道東のデータ解析と追跡調査を延期した。

今後の研究の推進方策

主原料や発酵法による魚醤油製品の品質の違いを明らかにするため成分分析(オリゴペプチド態アミノ酸)の調査を行う。道南や道東で得られた消費者の嗜好データの解析を進めるとともに、年齢、性別については官能評価の実施場所などを考慮し、極端な偏りのないように調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

道南と道東での消費者の嗜好性試験が前年度に完了しなかったため次年度使用額が生じた。今年度は道南と道東での消費者嗜好性試験の再試験と研究成果の公表に直接経費を使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 外的プリファレンスマッピング手法を用いた北海道産魚醤油の道央圏での 消費者の嗜好性評価2024

    • 著者名/発表者名
      松田亙・傳法貴司(北海道魚醤油生産組合)・吉川修司・田巻昭彦(道総研食加研)・鈴木崇宏・平山高光・舩津保浩 (酪農大食と健康)
    • 学会等名
      令和6年度日本水産学会春季大会
  • [学会発表] 主原料と発酵法が北海道魚醤油の品質特性に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      松田亙(小樽海洋水産)・田中彰・吉川修司(道総研食加研)、池澤奎吾・前田尚之(酪農大食と健康)、宮崎早花(酪農大循環農)、大谷克城・舩津保浩(酪農大食と健康)
    • 学会等名
      日本食品科学工学会第70回記念大会

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公開日: 2024-12-25  

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