研究課題/領域番号 |
20K02423
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ディドロ / モンテーニュ / 触覚論 / 点字 / 葛原勾当 / リテラシー |
研究実績の概要 |
本研究課題の1年目である2020年度は、本研究課題の分析枠組みであるディドロの触覚論を精緻化すべく、感覚論を中心とする思想史的文脈の中でディドロの触覚論をさらに分析し、その独自性と内実とを明確化した。特に、先行研究を手がかりにしながら、モンテーニュとの連続性に注目し、以上の作業を遂行した。 今年度は、上記の文献研究と同時に、国内で、点字と触察本の諸実践に関する調査研究を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により実施が困難な状況となったため、本研究課題の2年目以降に実施する予定であった、ディドロの触覚論を用いた、点字と触察本の人間形成的意義の解明作業を前倒しして実施した。具体的には、19世紀の日本において、点字が導入される以前に、独自の活字道具を開発し、それを用いて日記を書いた葛原勾当の諸実践と日記(『葛原勾当日記』)を分析し、その人間形成的意義を「リテラシー」の思想史的文脈の中で考察すると同時に、葛原勾当の実践からリテラシーを捉え直すという検討も行った。 さらに、以上の研究成果を論文にまとめ、Philosophy of Education Society of Australasiaの学会誌であるEducational Philosophy and Theoryで公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、国内での調査研究実施が困難な状況となったが、本研究課題の2年目以降に実施する予定であった文献研究作業を前倒しして実施したため、大きな研究作業の遅れはなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も国内外での調査研究実施が困難な状況が続くことが予想されるため、文献研究を前倒しして遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大状況により、予定していた国内での調査研究が実施できなかったため。 調査研究が可能になり次第、調査研究費として使用する。
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