本研究ではICTを応用した遠隔医療支援および遠隔教育システムの有用性を検証した。ビデオ会議システムにより患者情報を共有した。研究機関内に診療支援/画像相談はおよそ50件実施した。医療相談の結果で搬送となった症例は性分化疾患/呼吸障害/循環障害など6例であった。また遠隔地からの医療相談に対して、適時に十分な情報量をもとに支援可能であった。医療相談には至らなかった施設においては、地域間連携および遠隔ミーティングなどの運用検証にとどまった。医療従事者へのインタビューでは、遠隔地の医療者の心理的負担軽減が示唆され、遠隔診療システムが地域連携のための社会基盤として有効に機能している可能性が示された。
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