研究課題/領域番号 |
20K02444
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
松尾 美香 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (30521067)
|
研究分担者 |
小山 理子 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40634861)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | アクティブラーニング / グループ編成 / アクティブラーニングへの適応感 |
研究実績の概要 |
コロナ渦により研究活動が制限されるため、グループ活動や人が互いに協力・補完しあう背景について文献調査と既存のデータを活用した分析を行うこととした。なかでも、現地調査が実施できなかったため、分担者が2020年3月に実施した大学生の学習状況に関するWEB調査から、高校時代のアクティブラーニング(以下、ALという)に関連するデータ(N=965、質問項目17項目)の提供を受け、その分析を行った。 その結果をみると、高校での状況について、44%の学生がALを取り入れていると答え、36%がALを取入れられていないと答えていた。加えて、26%の学生は多くの教員がALを取入れたとし、39%が教員のALへの不慣れを感じていた。これらのことから、高校においてALの導入が推進されているにも関わらず、AL型授業を受講していない生徒の存在やAL型授業を取り入れていない高校があることが覗えた。この調査から現時点では、大学に入学する多くの学生が、AL型授業に慣れているわけではないと推測している。このため入学時や初年次にAL型授業に適応させるための教育プログラムの提供が必要であることを再確認できた。 この分析を踏まえて、ALに対する学生の行動・学習特性の把握できるようにするために、AL適応感尺度の開発を進めている。現在、対人基礎力、ALへの苦手感、協同作業、学習意欲、フリーライダー要素、学習方略等を確認するための質問項目が整理できている。このように、本調査の準備は整っているが、コロナ渦のため質問紙調査を実施できなかった。 また、グループ編成に関する研究についてもオンライン授業のため、授業での試行や調査が実施できなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ渦により、多くの大学で研究活動が制限され、授業形態がオンライン授業に急遽変更になった。本研究で想定していたアクティブラーニング型授業は、実施が困難であったり、オンライン上での活動にとどまった。このため、当初予定していたシラバスの調査や質問紙調査及びインタビュー調査が実施をとりやめざるを得なかった。また、分担者の出張等が原則的に禁止されたため、調査に赴いたり、学会発表等ができなかった。 できる範囲で研究を開始したが、既存データの分析が中心になり、アクティブラーニング適応感尺度の開発も充分に行うことができなかったため、同尺度を用いたグループ編成に関する研究の調査も行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
質問紙調査を実施し、アクティブラーニング適応感尺度の完成を目指す。 所属大学において、同尺度を用いて、アクティブラーニングに対する学生の行動・学習特性の類型化を行う予定である。なお、所属大学での調査が実施できない場合は,WEB調査を活用することも検討している。 アクティブラーニング型授業におけるグループワークでの学生の会話や行動を観察することで、グループワークを阻害する要因を検討する。また、学生へのインタビュー調査を実施することで、アクティブラーニングに対する考え方やグループワークを阻害する要因を確認する。 コロナ渦の状況が予測できないため、最悪の状況を見据えながら研究を推進し、研究がこれ以上遅れないように努めたい。さらには、オンライン授業におけるアクティブラーニング型授業についても検討したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦により、予定していた調査が実施できず、学会発表が中止になったりオンライン開催へ変更したりと旅費の執行ができなかった。
|