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2023 年度 実績報告書

ケイパビリティアプローチに基づく学校外教育の効果測定と公教育システムのモデリング

研究課題

研究課題/領域番号 20K02451
研究機関埼玉大学

研究代表者

福島 賢二  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90582164)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード学校外教育 / 教育機会 / 学習効果 / ケイパビティ / 風土
研究実績の概要

最終年度(令和5年度)は、すでに調査を行ってきたA地域日本語教室とBフリースクールの調査の継続に加え、令和4年度に調査を行ったC自主夜間中学の継続調査を行い、調査から得られた成果の一部を、『日本教育行政学会年報』と『季刊 教育法』にまとめた。
A地域日本語教室おいては、外国ルーツの親子に対する初期指導のあり方について、とりわけ外国ルーツの親子の母語や母文化を使う機会を意図的につくることによって教育機会の保障をしていることが明らかとなった。
Bフリースクールでは、学習者(子ども)の興味関心とその発想が十全に生きるように、カリキュラムや学習方法及び内容を柔軟に変更していることが調査によってみえてきた。それは夏と春の年2回行われる学習発表会のすべてを子どもがつくり、その内容が日々の授業における思考と学習の集大成になっていることがわかった。日々の授業における思考や表現の自由度が、こうした学習の成果を生み出し、子ども達の教育機会の保障がなされていることが明らかになった。
設立して2年目のC自主夜間中学は、設立当初は20名ほどの学習者の利用であったが、令和5年度の観察調査の際では50人以上の利用者となっており、登録者を含めると100名近くの利用となっていた。全国的に自主夜間中学が短期間にこれほどの規模で増えることは聴いたことがなく、その背景を探ると、そこには不登校特例校及び公立夜間中学校との連携があることがみえてきた。すなわち、ある学校では受けいれられない/通えないという事があった場合に、自主夜中がその人を引き取り、教育機会を保障するという連携の仕組みである。複数の学校の連携協力において、教育機会を保障する好例を知るに至った。
以上の調査より、学校(一条校)外の教育システムが、不登校児童生徒や学齢聴者、それに外国ルーツの人の教育機会を様々な方法と工夫で保障していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 教育機会確保法における不登校支援-〈生ける法〉のために2024

    • 著者名/発表者名
      福島 賢二
    • 雑誌名

      季刊 教育法

      巻: 221 ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 「個別最適な学び」を通した教育機会の再考と教育行政の課題-アマルティア・センのケイパビティ・アプローチを手がかりに2023

    • 著者名/発表者名
      福島 賢二
    • 雑誌名

      日本教育行政学会年報

      巻: 49 ページ: 64-84

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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