研究課題/領域番号 |
20K02464
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研究機関 | 桐朋学園大学 |
研究代表者 |
江口 和美 桐朋学園大学, 音楽学部, 講師 (50820453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教員勤務実態 / 教員の働き方 / 教職員定数 / 義務標準法 / 教員の雇用条件 / 支援員 / 病休代替 |
研究実績の概要 |
教員の過重労働が注目され働き方改革にも取り組まれているが、働き方改革以前の問題としてそもそも教員数の不足も指摘されている。加えて、市町村が配置することとなっている外国籍の児童生徒支援員、特別支援教育の支援員等、配置ができなければさらに教員の負担を増加させかねない各種支援員の必要性も高まっている。以上を鑑み、働き方改革を実りあるものとするためには、学校においてどのような職種がどの程度不足しているのか等の実態を把握し、取り組まれる必要があると考えた。 学校において教員の勤務時間を厳密にし、超過勤務を認めないような法改正や制度改正が実施されても、実際に取り組まねばならない業務が減らなければ一人一人の勤務時間を短くするために人数を増やすか、人数を増やさなければ実質的に一人分の業務は減らず現状は変わりにくいと考えた。そのために現状においての教職員の不足状況と支援員等配置のニーズと配置状況を把握につとめるべきだと考えた。そのため実態を調査により不足状況やニーズを把握し、そのうえで安定的に人員を確保し配置できる状況を担保するに要する費用の負担主体とその制度を検討しようと取り組んでいる。 令和2年度はその第一歩として、次年度に予定していた実態把握のための郵送調査の質問紙作成の基礎となる情報を得るため、複数の教育委員会対象にインタビュー調査を実施予定であった。しかし、コロナ禍の影響で見送らざるを得ず、初年度は専ら資料・文献渉猟に取り組む期間とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は、次年度に予定していた実態把握のための郵送調査の質問紙作成の基礎となる情報を得るため、複数の教育委員会対象に半構造化面接調査を実施予定であった。しかし、コロナ禍で学校の一斉休校等もあり、教育委員会の方々も今までにない状況への対応で慌ただしい状況は容易に推察された。また、緊急事態宣言の発出で都道府県境を超えての移動制限の時期もあり、半構造化面接の実施は見送らざるを得なかった。そのため、専ら資料・文献渉猟に取り組む期間となった。 初年度は予定していた半構造化面接調査が実施に至らず、質問紙調査の準備が大幅に遅れる結果となった。そのため、初年度の進捗状況としては遅れていると評価せざるを得ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、流行の状況もにらみつつ、調査方法の変更も視野に取り組んでいく必要があると考えている。質問紙調査も郵送で届く紙に嫌悪感を抱く人もいることが想定されるため、メールによる質問紙送信という形式への変更を視野に検討中である。 調査実施方法の変更を検討しつつ、質問紙の完成に向けた事前の調査を実施しようとしていたが、年明けから緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などが次々と発出等されているため、時期を見極めつつ取り組んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は大きくいって2つある。まず、1つ目はコロナ禍の影響で、学会出席のための出張、半構造化面接調査実施のための出張等が軒並み実施断念を余儀なくされたこと。2つめは、コロナ禍の影響で社会的にリモートワークや遠隔学習が増加し、デジタル機器が品薄になるなどしたため、研究機器の購入を翌年度以降に遅らせたためである。
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