研究課題/領域番号 |
20K02468
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
成松 美枝 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (40440812)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 教科担任制 / アメリカの小学校 / 教員免許状 / 教員研修 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
本研究は、アメリカの小学校(1~5学年)で教科担任制を導入するために、どのような教員免許制度の下で、教員の養成・採用・研修を実施しているのかを明らかにすることである。本研究では、アメリカ・ウィスコンシン州の小学校を事例に、教科担任制の教員を確保するために、どのような教員免許制度の下で教員を養成しているのかを明らかにする。また、教科担任制を実施する小学校では、どのような基準で教員を採用し、力量形成の為の研修を行っているのかを明らかにすることを目的としている。 今年度もコロナ禍により米国への渡航調査が不可能であった。また、研究代表者自身が、他の学内業務等の事情により本研究の時間を確保することができなかったため、現地の小学校での観察・インタビュー調査は見送られた。現地訪問調査の代わりに、米国内の先行研究をレビューし、教科担任制による教育方法の発展経緯を明らかにしたのと同時に、実施の効果に関して利点と問題点に関する論点整理を行った。その成果は、2022年2月に佐賀大学教育学部研究論文集 第6集第2号に上梓した。 米国教育省の2017-18年度調査では、米国内の小学校で教科担任制によって指導する教員数は、教員総数の8%に過ぎないこと、学級担任制で指導する小学校教員の数は全体の25%であることから、米国内の小学校では依然として学級担任制の方法が主流であることが分かっている。また、特に2000年代以降、教科担任制はテスト政策の下で成績向上に効果的な指導方法として成果を上げていることが、調査総数の8割強で報告されている。小学校での実践の利点は、教師が得意科目に限定して指導でき、生徒の満足度も高まること、教材の購入を教科担任制の教師の下に集約できる財政的メリットが指摘された。一方で、教師と生徒間の集団形成が希薄になり、教室間移動で指導時間に支障も生じる問題が指摘されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度に続き、コロナ禍で米国への渡航と現地の学校での調査が不可能となった。また、研究代表者が、所属機関での急な他の業務等のために、当研究に時間を割くことができなかったため、調査の依頼等が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、ウィスコンシン州内の2校の公立学校での調査を行うため、依頼中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で渡航と実態調査ができなかったため。
|