本研究は、チェルノブイリ原発事故によってどのようにベラルーシ共和国における教育―社会―環境のかかわりが変容してきたのかを、とりわけゴメリ州ホイニキ市を事例として、明らかにすることをめざすものであった。先行研究も共有されている資料もほとんど存在しておらず、現地調査の積み重ねを軸に研究をすすめていくことを意図していた。ところが、研究開始直前に発生した世界的なコロナ・パンデミックと、それに続くロシアのウクライナ侵攻にともなう地政学的変化により、一度も現地調査を実施することができなかった。所期の研究目的を達成することはできず、「チェルノブイリの経験を伝える」事業の一部の背景ならびに意義の考察を行った。
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