研究課題/領域番号 |
20K02495
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
屋敷 和佳 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 教授 (70150026)
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研究分担者 |
山口 勝己 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (30200611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学校施設 / 多目的スペース / オープン型教室 / 教科教室制 / ティーム・ティーチング / 教員に対する調査 |
研究実績の概要 |
まず、最終年度の主な研究成果は以下の4点である。 ①学校施設整備の転機となった多目的スペースの補助(昭和59年)の導入の最大のねらいは、TTの推進による教育方法等の多様化にあった。TT先駆校の一つである秋田市立築山小学校のティーム・ティーチング(以下、TT)について、今日まで続く60年の取り組みと体制、TT継続の要因、成果等を当校の研究紀要、聞き取り調査結果等を整理・検討し、TT活動と校舎空間の対応関係が把握できた。 ②公立小学校において最初のオープン・プラン・スクールとして整備された札幌市立丘珠小学校(昭和49年増築による)の研究紀要等の文献資料の分析や訪問聞き取りによって、整備の経緯、オープンスペース活用に関わる研究実践の盛衰等が明らかになった。 ③札幌市立小学校十数校への訪問聞き取り調査及び2校への教員への質問紙調査から、最新の引き戸形式オープン型教室が総じて評価されていることが明らかになった。 ④教科担任制の中学校においては、多目的スペースの効果的な活用が期待される校舎形式として教科教室型校舎がある。毎時間教室移動を行って授業を受ける教科教室制がコロナ禍による休止後に再開されたのかどうかを調べるために、十数校への電話による確認調査、2校への訪問聞き取り調査を実施し、校舎の空間構成の違いが教科教室制の継続や休止に大きく影響していることが分った。 次に、研究期間を通じた主な研究成果は、多目的スペース補助のねらいとされたTTについて昭和40~50年代の最先端事例の把握ができたこと、公立学校最初のオープン型教室整備の理由は米国における授業をモデルとする教育実践推進にあったこと、30数年間にわたる札幌市の小学校オープン型教室整備の変遷を把握できたこと、コロナ禍を経た現在の中学校教科教室制の実施状況と教科教室制継続の条件を明らかにできたことにある。
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