研究課題/領域番号 |
20K02498
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
西尾 亜希子 武庫川女子大学, 共通教育部, 教授 (20550627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | セクシュアリティ / LGBTQ+ / 自殺(念慮) / 啓発教育 / メンタルヘルス / 支援体制 / 専門家の養成と配置 |
研究実績の概要 |
セクシュアリティやそれに伴う障害等の困難を持つ学生について、国内外でどのように、どの程度、キャリア支援が行われているか等については、引き続き先行研究のレビューを行っている。結果として、国立大学を中心にしっかりと取り組みがなされている大学も増えつつある一方で、サークル活動や自助グループの中での口コミに任されている実態も明らかになってきている。その分、大学外のNPO法人の役割も大きい。 コロナ禍において大学生のメンタルヘルスへの懸念が広がる中、大学生の死亡に関する調査結果報告書が出ているが、自殺またはその疑いのある学生が多いことがわかっても、自殺の理由が不明の方が圧倒的に多く、大学側の状況把握の難しさが浮き彫りになっている。しかし、一点明らかなのは、大学生の数に比して、大学生のメンタルヘルスにかかわる研修や専門家の養成および配置が遅れており、予防できていないということである。 非LGBTQ+よりもLGBTQ+の人々の間で、そして女性よりも男性の間で、自殺念慮が強く、実際の自殺者数が多いことがわかっている。ジェンダーやセクシュアリティについては、高等教育においてもそうだが、初等・中等教育においても十分な教育がなされていない。大学生についてはキャリア支援は大事であることに間違いないが、それ以前の支援としてLGBTQ+の児童、生徒、学生のメンタルヘルスをどうするか、そしてそもそもLGBTQ+の理解をもっと早期から、もっと広げていくことに取り組まなければ、厳しい状況が続くことがより明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、面接調査の予定を立てにくい。合間をぬって行っていることもあるが、かなり遅延している。オンラインによる面接に切り替えることも考えられるが、コロナ禍の影響により先方も予期せぬさまざまな業務で多忙なのではないかと思うと、依頼しづらいということもある。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が少しでも落ち着けばと思っていたところもあるが、状況が少し改善したと思えばまたぶり返すといったことの繰り返しのため、国内での面接調査を多くしたり、海外の先行研究についてより詳細な確認を行うなどある程度の切り替えが必要かもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
面接調査のための出張ができず、計画通り旅費が使用できていない。
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