研究課題/領域番号 |
20K02509
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大森 直樹 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (50251567)
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研究分担者 |
大橋 保明 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30387667)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地震・津波被災校 / 原発被災校 / 教育実践 / 教育実践記録 / 自然災害 / 原発災害 / 災害と向き合う教育実践 / 3・11受入校 |
研究実績の概要 |
本研究は、東北地方太平洋沖地震と東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、3・11)の学校における影響と課題について、教育実践記録の収集と分析を通して明らかにしようとするものである。第2年度の研究実績は以下となる。 ①東北3県(岩手・宮城・福島)における公立の地震・津波等被災校を悉皆で把握した。2011年3月時点で739校であり、それらの2011~20年度における統廃合も明らかにした。また、全国における公立の原発被災校を悉皆で把握した。2011年3月時点で8県(岩手・宮城・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬)に2,346校であり、それらの2011~20年度における統廃合も明らかにした。②東北3県の地震・津波被災校で自然災害と向き合った教育実践記録37件を収集し、編著『3・11後の教育実践記録 第1巻 地震・津波被災校と3・11受入校』に25件を収録して出版し、すでに出版されていた51件と合わせて計76件の目録を作成した。また、原発被災校で原発災害と向き合った教育実践記録43件を収集し、編著『3・11後の教育実践記録 第2巻 原発被災校と3・11受入校』に30件を収録して出版した。③本研究に関わる専門的知識を広域避難支援団体等から得た。④3・11受入校で自然災害と向き合った教育実践記録4件を収集し、前掲『3・11後の教育実践記録 第1巻』に3件を収録した。また、3・11受入校で原発災害と向き合った教育実践記録8件を収集し、前掲『3・11後の教育実践記録 第2巻』に7件を収録した。⑤収集した教育実践記録に関わる現地取材の代替措置として、実践者を講師とするオンライン講演会(公開調査研究会)を開催した。⑥収集した教育実践記録の分析に着手し、その成果の一部を東京学芸大学 特別支援教育・教育臨床サポートセンターに11月に開設した防災学習室の展示等により公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地震・津波被災校で自然災害と向き合った教育実践記録については、毎年作成される教育実践記録のタイトルをもっとも体系的に収集した書誌である『日本の教育』を手がかりにすることと合わせて、すでに出版されていた教育実践記録についても収集を行い、体系的な整理を進めることができた。収集した教育実践記録に関わる現地調査を行うことについては、新型コロナウイルス感染症の影響で十分に実施できないことへの代替措置として、実践者を講師とするオンライン講演会(公開調査研究会)を開催することができた。
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今後の研究の推進方策 |
①原発被災校で原発災害と向き合った教育実践記録については、毎年作成される教育実践記録のタイトルをもっとも体系的に収集した書誌である『日本の教育』を手がかりにすることと合わせて、すでに出版されていた教育実践記録についても収集を行い、体系的な整理を進めること。 ②3・11受入校の拡がりについて、都道府県別の把握を基本にして、市町村別の把握も検討すること。 ③収集した教育実践記録(「地震・津波被災校で自然災害と向き合った教育実践記録」「原発被災校で原発災害と向き合った教育実践記録」「3・11受入校で自然災害と向き合った教育実践記録」「3・11受入校で原発災害と向き合った教育実践記録」)について、分析を行い、その成果を論文や防災学習室における展示や学習事業を通じて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、収集した教育実践記録に関わる現地調査のための旅費と謝金が執行できなかった。 令和4年度は、パソコンによる遠隔会議を利用して調査対象者や関連する研究者への面接調査を進めることと合せて、3・11受入校に関わる文献資料の収集・整理や、本研究成果の東京学芸大学特別支援教育・教育臨床サポートセンター防災学習室における公表等のための予算執行を行う。
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