研究課題/領域番号 |
20K02524
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
下司 晶 中央大学, 文学部, 教授 (00401787)
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研究分担者 |
須川 公央 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (80581561)
波多野 名奈 千葉経済大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80574201)
関根 宏朗 明治大学, 文学部, 専任准教授 (50624384)
野見 収 沖縄国際大学, 法学部, 教授 (00511164)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神分析 / フロイト / 教育学 / 教育哲学 / 教育人間学 / 保育学 / 教育思想 |
研究実績の概要 |
フロイトが創始した精神分析は、20世紀以降の教育に多大な影響を与えてきた思想の一つである。精神分析の知見を学校教育に応用する手法は「精神分析的教育学」とよばれ、1920年代から試みられてきたが、第二次大戦期に一度潰え1990年頃まで復興しなかった。しかし近年、精神分析的教育学は再興し、また精神分析を、大学等での教師教育や保育者養成に接続するなどの新たな動向もみられる。そこで本課題では、後者も含めて広義の「精神分析的教育学」としてとらえ、精神分析と教育の新たな関係の可能性を検討した。 本課題研究の中心となったのは、カナダのデボラ・P・ブリッツマン博士(ヨーク大学、トロント)との仕事である。ブリッツマン博士は、精神分析理論自体に教育学的な課題をみいだすとともに、その成果を大学等での教師教育、具体的には初等中等学校教員の養成と現職教員の研修にも応用している。そこで本課題では、彼女の理論と実践を検討することとした。その成果の一部として、彼女の著書Freud and Educationを、『フロイトと教育』(勁草書房、2022年)として出版した。 また、各研究分担者はそれぞれ、「精神分析と教育」という課題意識に基づき、自我の発達と道徳教育、教育と決定論、自律的個人の形成と政治思想、乳幼児の観察と保育などについて、研究を進めてきた。その成果は、学術論文や学術図書として出版された。一般に流通した書籍としては、野見収『断絶としての教育』(東京大学出版会、2023年)、下司晶編『道徳教育』(学文社、2023年)等があげられる。また、研究成果の一部は、今後、教育哲学会編『教育哲学事典』(丸善出版、2023年7月刊行予定)にも収録される予定である。
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