研究実績の概要 |
本年度は,2つの研究について進めた。 1つは,複数の小学校教員を対象とした研究会に参加するなかで授業スタンダードに対する認識を探った。その過程では,単純に「賛成/反対」とはとらえきれない複雑な認識があり,そのことは児童のとらえにも影響することがわかった。今後の研究計画をデザインする貴重な資料となった。 2つは,公立小学校の児童2年生から6年生,600名余りを対象に,小学生による授業スタンダードに対する認識に対するデータを収集したものをもとに,分析ををすすめた。主要な知見として,(1)「授業スタンダード場面課題」において,低・中学年である2, 3, 4年生は授業スタンダードに賛成する児童が多く,高学年である5, 6年生は反対する児童が増えた,(2)「個人の権利意識尺度」の結果は,高学年において個人の権利意識の発達と授業スタンダード反対との関連が示された。これらの結果をもとに,論文化し,査読付きの雑誌に投稿し,採択が決定した。
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