研究課題/領域番号 |
20K02536
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤木 和重 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70402675)
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研究分担者 |
下木 なつみ 神戸大学, 附属学校部, 特別支援学校教諭 (60901361)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 授業スタンダード / 小学生 |
研究実績の概要 |
今年度は,大きくは2つの研究を行った。 1つは,すでにデータを取得した小学校教員を対象にした調査結果の分析・執筆を行った。小学校教員では,予想した以上に,授業スタンダードへの採用意向が強かった。ただし,対象となる子どもの学年によって,その採用理由は異なることも明らかになった。具体的には,低学年であれば,「子どもの発達や学習のため」といった理由が多いのに対し,高学年では「規範意識情勢のため」という理由が前景化してくことが明らかになった。加えて,授業スタンダードを採用する意向を答えた教員のなかにも,「学習態度に落ち着きが見られる場合は採用しない」といった留保をつける回答も少なからず見られた。このことは,授業スタンダードを採用する場合においても,教員のなかでも,いくつかの条件や葛藤があることも明らかになった。この結果は,授業スタンダードがなぜ広まるのかについての学級経営の視点から示唆を与えるものと思われる。以上の結果をまとめて,現在,学会誌に投稿し,査読中である。 2つは,授業スタンダートから距離をとっているような学校現場を訪問し,そこでの知見をまとめた。具体的には,軽井沢風越学園に継続的にフィールドワークを行い,授業スタンダードによらない形で,どのように授業を実施しているのかについて,主に探究学習および集団作りに注目して,いくつかの記事の執筆を行った。その成果は,軽井沢風越学園のWebなどに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文投稿を行うなど,順調に研究が進んでいる。ただし,コロナ禍ということもあって,追加の調査はまだ実施できていない。そのため,「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,教員を対象に,授業スタンダードの認識についてインタビュー調査を行う予定である。質問紙調査だけでは,聞き取ることができなかった授業スタンダードの評価や,その採用プロセスについて検討を行う予定である。 また,研究分担者としては,「陶器づくり」における実践を通して,スタンダードの課題について検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は,コロナ禍のため出張機会が激減し,そのため次年度使用家額が生じた。2022年度は,出張機会が多くなるため,おもにその費用として使用する計画である。
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