研究課題/領域番号 |
20K02546
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
太田 素子 和光大学, 現代人間学部, 名誉教授 (80299867)
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研究分担者 |
藤枝 充子 明星大学, 教育学部, 教授 (00460121)
大西 公恵 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (70708601)
織田 望美 こども教育宝仙大学, こども教育学部, 講師 (00848955) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レッジョ・インスピレーション / プロジェクト・アプローチ / ドキュメンテーション / 実践記録 / 幼小接続 |
研究実績の概要 |
共同研究も3年目に入ると、次第に共通理解が深まってくる。2022年度は、4名がそれぞれに海外の実践を視察しながら日本の保育実践に理解を深めるという点で、当初の研究のねらいに近づくことができた。まだ国際線の航空機を使った旅行は困難が多かったが、最終年度なので何とかそれぞれ果敢に計画の実行に努めた。太田と大西は日本の新教育の中から「遊び」をベースに置いた低学年教育の実践記録を取り上げて分析し、国際学会で報告した。それは。遊びが重視される日本の保育の中で、どのように「学び」への着目が生まれてくるか、それは「遊び」重視とどのようなない的な関係を持つか、という点の追求を目指していた。またEECERAが開催されたグラスゴーの保育施設や、エディンバラのフレーベル主義の保育施設を視察し、それぞれの環境構成から多くを学んだ。また、藤枝は初めてレッジョチルドレンを訪問し、文献で学習してきたレッジョの実践について、具体像を得ることができた。織田は大型積み木を創造したニューヨークの伝統ある幼児教育施設と、レッジョ・インスパイヤードの施設の視察を単独で続け、環境構成と幼児の学びの関係について考察した。 これらの視察結果を含んだ考察・研究について、現在原稿を執筆中で、そのためだけに1年の研究期間延長を行った。コロナ禍でやや研究のペースが遅れたが、着実に初期の目標を遂行しつつある。原稿化の過程で、さらに研究テーマの理解を深めてゆきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大西、太田による分析を通して、大正自由教育の実践の明らかな特徴が見出ださされた。低学年の子どもたちに特徴的な遊びへの強い欲求に根差し、それを活用する教育実践を取り上げていること。そして、感情や意欲、人間関係の調整や実務的な作業など非認知的な能力の育成をはかる総合的な活動を取り上げながら、その中で知的な認識能力の獲得への過程がどのように生まれるかを注視していることだ。それは日本社会の伝統的な子ども理解を引き継ぎつつ、学校教育としての役割──主体的に問いを構成し、探求し、新たな知見と新たな問いを構築していく子どもたちの認識活動を助成する仕事──を果たすために、素材や内容構成、そして目標について、教師の経験的な理論の生み出してきた蓄積を明示化する試みである。 それらを分析するためには、子どもたちの認識や想像・創造活動について、合理的な知見を蓄積してきた海外の実践について深い理解を持つ必要がある。研究成果をまとめる過程で、それらについての理解を深めつつ、日本の教育実践の特質と課題を明らかにしてゆきたい。
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今後の研究の推進方策 |
この間収集してきた日本の実践や、欧米の実践について、紹介し分析を深める中で、初期の目標に立ち返りながら考察を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
この3年間に国内のプロジェクト型実践記録、特に幼小接続を意識しながら幼稚園、小学校のプロジェクト型の実践記録を数多く集めてきた。それらの分析を進めるに際して、この研究グループではレッジョ・エミリア・アプローチを中心とする海外のプロジェクト型の実践を参照し、比較の視座を持ちつつ、日本の実践の個性とその展開とを分析したいと考えてきた。しかし、コロナ禍で海外渡航が難しく、最終年度にやっと渡航・視察ができた。そこで、視察で得たものを消化しつつ、集めた実践記録を分析し考察を執筆する期間として1年の延長を決意した。この1年は、主に原稿執筆と意見交換に当て、報告集の編集発行のために研究費を残している。
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