研究課題/領域番号 |
20K02552
|
研究機関 | 芦屋大学 |
研究代表者 |
三羽 光彦 芦屋大学, 臨床教育学部, 教授 (90183392)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 実業補習学校 / 地域社会 / 農村教育 / 青年教育 / 青年学校 / 産業教育 / 近代日本教育史 / 学校制度 |
研究実績の概要 |
令和3年度は以下の4つの地域調査を中心に研究を実施した。全体としてはやや遅れ気味ではあるが、当該年度に限れば順調に進んだ。研究の目的、研究実施計画に照らし、さまざまな特色ある産業と結びついた地域教育が、戦前期の実業補習学校の教育実践を源流として戦後まで生きている事例を多く発掘しつつある。 Ⅰ.長野県調査(9月20日から25日)1.東筑摩郡の小学校所蔵の実業補習学校の日誌等の確認・一部閲覧。2.安曇野市文書館所蔵の旧5か村実業補習学校の設置課程に関する資料調査。3.井口喜源治記念館における研成義塾に関する調査。4.穂高商業高校の前史と実業補習学校に関する資料調査。5.南安曇教育会における資料調査。6.務台理作と長野県教育会に関する調査等である。Ⅱ.青森県調査(10月4日から8日)1.青森県立図書館郷土資料館にて実業補習学校の学校史・誌を調査。2.十和田市立図書館にて実業補習学校の資料調査。3.藤坂小学校における加藤源三校長の実業補習学校の教育実践の調査。4.中泊町博物館における調査。5.弘前大学図書館郷土室における調査。などを実施した。Ⅲ.新潟県佐渡調査(10月13日から17日)1.佐渡市立図書館における森知幾の実業教育論の調査。2.羽茂地区の地域産業と羽茂実業補習学校に関する調査。3.金井地区の竹細工と実業補習教育に関する調査。4.新潟県立図書館郷土資料室における実業補習教育の学校史・誌の調査。5.新潟県公文書館による調査。などを実施した。Ⅳ.島根調査(11月7日から10日、11月21日から24日)1.雲南市日登の加藤歓一郎記念館における加藤歓一郎の小学校、実業補習学校、青年学校、中学校の生産教育実践の調査。2.仁多郡奥出雲町の図書館および阿井公民館における加藤歓一郎と青年学校関係の資料調査。3.関係者多数からの、加藤歓一郎に関する聞き取り調査を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この調査研究の期間(令和2年度以降)はこれまで、新型コロナ蔓延による旅行規制、図書館等の閉鎖によって出張などができず。令和2年度はほとんど地域調査が実施できなかった。令和3年度も夏や冬には新型コロナの流行があり調査旅行ができなかったが、秋は比較的出張旅行ができ、前述した4地域での充実した調査が実施できた。しかし、地域調査による資料探索を柱とする本調査研究は、こうした中で、現在当初の目標に比べやや遅れているという状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
上記した理由により、3年間の本研究は「やや遅れている」状況にある。調査・研究をまとめて学科報告や論文にするのも遅れている。今年度は今のところ調査・研究の進展が期待できるが、ふたたび新型コロナウイルスの流行が起こるなどにより、思うように調査が進まない場合には、本研究の延長を申請も考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に新型コロナの流行により、当初計画した調査旅行ができず、令和3年度は前年度からの繰り越し分が多かったこと、今年度も夏や冬に新型コロナの流行により調査旅行ができなかったことにより、かなりの次年度使用額が生じた。これらは令和4年度に調査旅費、図書購入費、調査関連機器購入費として使用する予定である。
|