研究課題/領域番号 |
20K02552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 芦屋大学 |
研究代表者 |
三羽 光彦 芦屋大学, 臨床教育学部, 特任教授 (90183392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 実業補習学校 / 青年教育 / 産業教育 / 中等教育 / 青年学校 / 教育自治 / 実業教育 / 社会教育 |
研究成果の概要 |
1920年代の教育政策は、実業補習学校の学校制度としての標準化を進展させ、実業補習学校を公教育の一環に位置付け、それによって青年教育の国家的包摂を進行させた。その流れは、1930年代の青年学校の男子義務化の政策へと連なっている。 その一方で、1920年代から30年代には、農村危機を背景として、実業補習学校を独自の自治的教育機関に改革し、その地域にふさわしい青年教育を実施する事例が各地で見られる。これを俯瞰的に見ると、地域社会の教育要求を原動力として、地域に根ざした青年教育を創造する歴史的過程と見ることができる。いわば中等教育の大衆的なあり方を地域のなかから創り出す胎動であったといえる。
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自由記述の分野 |
44
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域に根差した実業補習学校の改革動向は、近代日本における大衆的中等教育の内発的遺産であったといえる。そしてその実態を分析的に見ると、塾教育などさまざまな伝統的な教育営為を、実業補習学校という公教育のなかに組み込みながら、地域の要求に即した青年教育を再構成することが試みられている。内発的な青年教育の形成というのは、そのことをも含意している。 そうした地域に根差した実業補習学校の個性的な展開過程は、広く見れば国家主導で進められた日本の近代化と対立する性格と内容をもつものであった。それは、国家主義的・中央集権的・画一的と評価されてきた戦前日本の教育に対する見方に、大きな修正を迫るものである。
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