研究課題/領域番号 |
20K02566
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研究機関 | 三育学院大学 |
研究代表者 |
篠原 清夫 三育学院大学, 看護学部, 教授 (10647580)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 養護教諭 / 職業的社会化 / ライフコース / 職務 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
養護教諭の職業的社会化に関する先行調査研究について、社会調査方法としてのサンプリング・調査方法・回収率に焦点化し分析と考察を行い、今後の研究方向性について検討してきた。しかしながら新型コロナウイルス感染症のため当初予定していた養護教諭を対象とした全国調査を延期せざるを得ず、代わりに養護教諭の地位・役割の変遷と特徴を検討し、職務の役割拡大が生じている状況について社会学的分析を行った。さらに教育現場の教員としてマイノリティである養護教諭に対する人々のまなざしを明らかにすることを目的に、大衆意識を表現すると評されるマンガ作品を素材に、ジェンダーとセクシュアリティの観点からドキュメント分析を試みた。またマンガ作品から養護教諭の職務に対する人々の意識について分析し、養護教諭は女性的な職業という視座があることを明らかにした。 以上、養護教諭の職業的社会化研究に関連する分野について学会・論文発表を行ったが、今後はこれまでの研究成果をもとに実証的社会学研究を行うため全国小・中学校の養護教諭調査を実施し、四半世紀年前の全国調査と同じ年齢集団のコーホートを用いて分析を行うことで、社会背景を含めたライフコースの視点から職業的社会化について明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の当初の目的は、養護教諭の職業的社会化について全国データを用いた実証的研究を約20年ぶりに行うことにあった。しかし新型コロナウイルス感染症の蔓延により養護教諭に役割負担が生じたことを考慮する必要があったことから調査延期を決定し、その間に職業としての養護教諭に対する人々のまなざしに関する社会学的研究を行い、その知見を活かしながら調査企画を変更することにした。その後、研究者の本務校での役職が増え多くの校務を抱えたことにより、調査をさらに延期せざるを得なくなったため研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長し、令和6(2024)年度に研究倫理審査委員会の審査を受け、全国の養護教諭を対象とする郵送調査を実施する。四半世紀前の全国調査との比較のため、養護教諭の職業的社会化に関わる同様のデータも収集し、ライフコースの視点からコーホートを用いた分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の本務校での各種業務が増加し研究時間の確保が困難となったため、予定していた計画を再度変更し、令和6(2024)年度に全国調査を実施する。そのための調査票・依頼状・封筒印刷費、郵送費、データ入力費、調査票発送補助の人件費等に研究経費を使用する。
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