研究課題/領域番号 |
20K02569
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
南部 さおり 日本体育大学, スポーツ文化学部, 教授 (10404998)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生涯スポーツ / スポーツ好き / スポーツ嫌い / 親子関係 / 子育てとスポーツ |
研究実績の概要 |
親の教育的働きかけが子どもの運動・スポーツへの向き合い方にどのような影響を与えるかを検証するための基礎データを収集する目的で、日本体育大学「スポーツ文化研究A」及び「スポーツの安全指導」の授業を受講している学生(それぞれ60~100名)を対象に、複数回にわたってアンケート調査を実施した。 昨年度の結果と同様、対象者が体育大学の学生であるため、子どもの頃から親がスポーツをよく勧めてくれていたことに加え、一緒に運動をしてくれていたという回答が非常に多かった。また、統計的に有意ではなかったものの、親が一緒に運動をしてくれた学生の方が、幼稚園から小学生頃までに最も夢中になった遊びとして「身体を動かす遊び」を回答する割合が多く、同じスポーツを続けている割合が高い傾向があった点も、前年同様の結果となった。 親から受けた援助の中で最も重要であったものとして挙げられた因子は「金銭的な援助」が最も多く、次いで「活動を応援してくれる、精神的な援助」であった。 これまでのアンケート調査から明らかになったのは、スポーツを続けるにあたり、得意意識を持つことや、続ける意思を持つことに、親の教育的関わりの影響が非常に大きいということであった。当該年度は対外的な仕事(自治体教育委員会の調査委員会など)に多くの時間を割くことになったため、アンケートについて十分な分析を行うことができていない。そのため次年度は、インターネットを利用した大規模調査を含め、生涯を通じてのスポーツ活動に対する姿勢に、親の存在がどのように関わっているのかについての考察を深めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 当該年度は対外的な仕事(自治体教育委員会の調査委員会など)に多くの時間を割くことになったため、当該研究に十分な時間を割き、アンケートや文献資料等について分析を行うことができていない。 そのため、研究のための時間を取ることが比較的可能である令和5年度に研究計画を延期し、じっくりと取り組むこととしたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は日本体育大学の学生を対象にした調査のみならず、他大学での学生を対象としたアンケート調査を実施したいと考えている。 また、インターネットを用いた大規模調査を行うことも予定しており、さらに調査対象を拡大した、幅広い知見を得られることが見込まれている。 スポーツ活動と親の影響についての文献も順調に集まっており、今後調査で明らかになった内容に加え、さらに科学的な裏付けができるような研究を行っていくことが期待できる。 今年度実施することができなかった、親の意向でその競技を始め、継続している学生と、そうでない学生との競技力や活動時間、希望進路と生涯スポーツへの意欲の違いなどについても調査を進めていきたいと考えている。 なお、大学入学後にそれまで行っていた競技を変更した学生に対する重点的な聞き取り調査を行ったが、意思決定に至る交絡因子として、親の影響はほとんどないことが分かった。今後は、これまでの調査で分かった内容に加え、「いかなる親子関係が子どもの生涯スポーツへの態度を形成するか」という分析を行うことを目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
対外的な業務(自治体教育委員会における調査委員会業務等)に多くの時間と労力を費やすことになり、十分に当該研究に取り組むことができなかった。 次年度はインターネットを用いた大規模調査を行うこと、他大学での調査を行うことなどを予定している。
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