研究課題/領域番号 |
20K02577
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研究機関 | 上田女子短期大学 |
研究代表者 |
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 准教授 (30591193)
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研究分担者 |
千葉 直紀 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (10825590)
中村 瑛仁 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (30756028)
紅林 伸幸 常葉大学, 教育学部, 教授 (40262068)
木村 光男 常葉大学, 教育学部, 准教授 (50779527)
山口 美和 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (80465856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保育者養成 / カリキュラム / 実習指導 / 保育者文化 |
研究実績の概要 |
現在、我が国では、待機児童の増加とそれに伴う保育者不足、保育の質の低下、保育者の離職の高さが問題となっている。一方、幼児教育では、乳幼児期における非認知的能力の育成が重視されるようになった。本研究は、こうした保育者の確保と保育の質の向上という二つの課題を抱えている我が国において、①保育者養成校の学生に対する調査と、②現職保育者に対する調査を実施することを通して、保育職志望者が生きている意味世界を明らかにすることを目的としている。 この研究課題に向けて、研究の1年目にあたる令和2年度は、保育者養成校における養成プログラムと就職支援の実態を検証し、保育者文化の特徴を明らかにするために、保育者養成校に通う1年生を対象としたアンケート調査を実施した。アンケート調査の内容は、保育者養成校に入学する前の保育経験、現在の学校での授業経験や実習指導内容、実習における経験や指導内容、キャリアに対する意識などである。保育者養成をしている専門学校・短期大学・4年制大学の11校約400名の1年生から回答を得ることができた。令和2年度はコロナ禍によって遠隔授業を実施している保育者養成校が多かったため、ほとんどの保育者養成校でWebでの調査を採用した。保育者養成校に入学後の授業経験や実習指導、実習経験に関する内容の調査だったため、年度末の実施となった。多くの保育者養成校で、1年生は入学後に対面授業をできていないこともあり、回収数は約400であったが、現状の把握には十分可能なデータであり、令和3年には実態調査として結果を報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の1年目にあたる令和2年度は、保育者養成校に通う1年生を対象としたアンケート調査を実施した。当初の予定では卒業年度の学生調査だったが、計画を修正して令和2年度に1年生調査を実施したことで、令和3年度に実施する保育者養成校の2年生及び卒業年度生へのアンケート調査とインタビュー調査への足掛かりとなった。さらに、保育者養成校の1年生調査後に2年生と卒業年度生の調査をすることで、保育者養成校に通う学生の保育や保育者に対する意識が養成課程や実習を経験するなかでどう変化するかが明らかになると予想される。コロナ禍において対面授業が実施できなかったことで多くの保育者養成校でWeb調査を選択したことから、期待した回収数には届かなかったが、現状の把握には十分可能なデータを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、保育者養成校の学生に対する調査を実施する。まず、令和2年度に実施した保育者養成校に通う1年生を対象としたアンケート調査の結果報告を行う。また、令和2年度に実施した保育者養成校の1年生調査をもとに、保育者養成をしている専門学校・短期大学・4年制大学の卒業年度生及び4年制大学の2年生に対するアンケート調査とインタビュー調査を実施する。 令和4年度の保育者対象の調査に向けて、保育者(幼稚園教諭、保育士、保育教諭)に関する先行研究の整理を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、コロナ禍によって、当初予定していた紙媒体でのアンケート調査をWeb調査に変更した。そのため令和2年度は、用紙代やアンケート用紙の送料、アンケート調査の入力費がかからなかった。また、研究会をZoomで実施したため、旅費がかからなかったた。その分を令和3年度に実施する保育者養成校の卒業年度学生の学生調査と、保育者養成をしている4年制大学の2年生調査の実施に充てて調査を広く行うことにした。
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