研究課題/領域番号 |
20K02580
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
野田 真里 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (90334995)
|
研究分担者 |
廣里 恭史 上智大学, グローバル教育センター, 教授 (40262927)
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30362221)
荻巣 崇世 上智大学, 総合グローバル学部, 助教 (00743775)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | カンボジア / SDGs(持続可能な開発目標) / 教員改革 / 経済成長 / 産業人材育成 / 包摂的かつ公正な教育 / ESD(持続可能な開発のための教育) |
研究実績の概要 |
経済成長著しいカンボジアにおいて、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、とりわけ教育に関するSDG4を念頭に、産業人材の育成と包摂的かつ公正な教育の実現にむけた課題や政策を探究するため、(1)文献研究および(2)国際研究会(オンライン)を開催した。(1)文献研究については、野田が「包摂的で公正な質の高い教育のための教員改革」について、廣里が「産業開発、教育政策と教員改革」について、北村が「SDGs・ESD, 教員養成と教員改革」について、荻巣が「マイノリティ、教授法改革」をそれぞれ主に担当した。研究成果は、学術論文、学会発表、図書等にまとめられ、公開された。 また、文献研究の成果等をふまえて、(2)国際研究会(オンライン)を、カウンターパートであるカンボジア教育青年スポーツ省(MOEYS)を中心とするカンボジア研究チームと開催した。同研究会は月例を基本とし、日本研究チームとカンボジア研究チームの対等なパートナーシップによる協働のもと、交互に発題と議事進行を担当、研究テーマの詳細や分析手法、カンボジアの教育とSDGs等に関する現状分析等を行い、研究を深めることができた。また、新たな研究課題として、新型コロナ禍におけるカンボジアの教育についても、有意義な問題意識の共有を行うことができた。 こうした日本とカンボジアの両研究チームの協働作業をつうじた研究の進展等にともない、英語・日本語による書籍・ジャーナル論文の特集号の刊行等を目指し、テーマと分担を発展的に組み替えた。これに伴い、日本研究チームに加えて、カンボジア研究チームも執筆に加わることとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献研究は予定通り実施し、論文、学会発表、著書等をつうじて研究成果も公開できている。だが、当初予期しなかった新型コロナウィルスの流行により、カンボジアにおける現地調査、国際ワークショップ(プノンペン特別市、バッタンバン州)等がやむなく延期される等、進捗がやや遅れている。その一方で、当初の計画以上の進展として、こうした事態を踏まえて、国際研究会(オンライン)を原則月例で開催、また、新たな研究視点としての新型コロナ禍における教育の課題の分析等もみられた。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナ禍の今後やその影響については不透明ではあるが、引き続き、文献調査および国際研究会をはじめオンラインシステムを活用した協働研究を一層推進していきたい。むしろ新型コロナ禍によって、カンボジアの教育において「取り残される人々」の課題が浮き彫りになったことから、こうした新たな視点も加味して研究を深化していく予定である。 今後につき、これまでの経験等をふまえて、次の新たな研究の推進方策を検討していく予定である。すなわち、(1)日本研究チームによるカンボジアでの現地調査や国際ワークショップの活動が困難である場合、カンボジア研究チームが、日本研究チームと相談のうえ、カンボジアでの現地調査や国際ワークショップの開催を検討する。(2)状況如何によっては、隣国タイ等での国際研究会の開催を検討する。そして(3)カンボジア研究チームのメンバーは博士号取得者が大半であり、研究能力がきわめて高いことから、日本研究チームと同様に、論文・著書の執筆や学会発表等を検討する等である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ禍の影響により、カンボジアでの現地調査、国際ワークショップが困難となり、これに伴う旅費および人件・謝金の使用ができなかった。次年度については、新型コロナ禍の推移をみつつ、現地調査、国際ワークショップの開催を検討するなかで、適切な予算の使用を行う。また、状況をみつつ次の新たな研究の推進方策を検討し、予算の使用を計画していく予定である。すなわち(1)日本研究チームによるカンボジアでの現地調査や国際ワークショップの活動が困難である場合、カンボジア研究チームが、日本研究チームと相談のうえ、カンボジアでの現地調査や国際ワークショップの開催を検討する。(2)状況如何によっては、隣国タイ等での国際研究会の開催を検討する。そして(3)カンボジア研究チームのメンバーは博士号取得者が大半であり、研究能力がきわめて高いことから、日本研究チームと同様に、論文・著書の執筆や学会発表等を検討する等である。
|