研究課題/領域番号 |
20K02591
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
野津 隆志 兵庫県立大学, 国際商経学部, 非常勤講師 (40218334)
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研究分担者 |
馬場 智子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (60700391)
S Kampeeraparb 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90362219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 外国人児童教育 / 教育格差 / ミャンマー家族 / 山地民族 / コロナ禍 |
研究実績の概要 |
コロナ禍で現地調査が困難なため、インターネットを使ったアンケート調査を実施した。当初の計画では、外国人児童の教育課題について、1.地域の就学状況の情報収集、学校、ノンフォーマル教育機関、学習センターの所在や統計収集、2.学校の基本情報、年度別統計、外国人児童の教育内容についての基本情報の収集、3.学習機関の接続プロジェクト・学校と他アクター連携プロジェクトの事例の基礎情報収集の3点を行う予定であった。 しかし、現地調査が困難なため、現地の協力者とメールやインターネットを使って現地でできる範囲の情報収集に限定して調査を行った。調査はすべて現地協力者に依頼し実施した。 チェンライ県での調査(ミャンマー児童が通学する学習センターを調査した)。①山地民族児童の家族調査を実施、親のほとんどが教育歴がない、小4卒、小6卒がわずかにいる程度である、②コロナ禍でオンライン授業を受けているが、オンライン教材の不足、指導方法の未開発、家庭でのインターネット環境の不備などがあり十分な教育効果が得られていないことが分かった③無国籍の法的状態に置かれている家族が多い ターク県での調査①保護者(回答者)の職業や学歴等を含めた基礎情報、②子どもの家庭環境(教育環境を中心に)、③保護者の教育方針、に関する質問紙調査を2022年1月から3月に実施した。③については、子どもに期待する教育レベルとして学士(大学卒)を期待する親が多いが、「子ども次第」と回答する親も多い。また、「成績が気になる」:5割、「気にならない」:4割であった。また、「将来のために追加クラスに通わせたい保護者は9割超」であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年、2021年とコロナ禍で現地調査に渡航できなかったため、外国人児童の家族からの聞き取り調査などが困難な状況にあった。2022年8月に現地調査を行ったが、外国人家族の働く場所や集会所が「密状態」であり、コロナ感染の危険があり、十分に聞き取り調査が実行できなかった。そのため日本から現地協力者を経由して、インターネットを活用した調査を実施した。チェンライ県、ターク県などでデータが徐々に集まりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年にバンコク、チェンライ県、ターク県などで調査予定。1.地域の就学状況の情報収集、学校、ノンフォーマル教育機関、学習センターの所在や統計収集 2. 学校の基本情報、年度別統計、外国人児童の教育内容についての基本情報の収集 3. 学習機関の接続プロジェクト・学校と他アクター連携プロジェクトの事例の基礎情報収集(連携のタイプを次の仮説から検討する:<接続の内容>:学年、教科、カリキュラムなど教育内容に関わる具体的状況、<接続の公式性>:資金の委託・受託関係、MOU(合意文書)関係など、<コミュニケーション>:関係者の公式協議の頻度や対話のあり方、コンフリクト、信頼関係の形成など 4.タイの外国人家庭,山地民家庭の教育戦略について情報収集を行う(家庭での学習時間、家事手伝い、塾での学習、将来の学校選択など)
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で現地調査ができなかったため、次年度使用額が発生した。2023年度中に、現地調査を複数回行う
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