本研究は、高等学校における経済的側面からの進路指導での「情報ギャップ」に着目し、この問題点を学校組織マネジメント及び制度改革の両面から実証的に明らかにすることを目的とした。研究の成果として以下の点が示された。①奨学金制度に関して,生徒はこの情報を認知するほど高等教育機関への進学を予定とする傾向がある。②各高校の校内体制において,進路指導部が関与することで情報提供は活発になりやすい一方で,事務職員のみでは停滞しやすい傾向がある。③奨学金の申請に関する教職員による業務は負担及び負担感が限界に達しており,マクロ面・ミクロ面での役割分担の改善や教師の専門性の再考の必要性がある。
|