研究課題/領域番号 |
20K02601
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米澤 由香子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60597764)
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研究分担者 |
佐藤 万知 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (10534901)
太田 浩 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70345461)
堀江 未来 立命館大学, 国際教育推進機構, 教授 (70377761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大学国際化 / 国際化マネジメント / 高等教育ガバナンス / 国際教育 |
研究実績の概要 |
日本の大学国際化を推進する組織の運営と、リーダーシップの現状および課題を国際的視点から実証的に検証・考察することを目的とする本研究において、初年度にあたる2020年度は、研究チームでの調査の方向性の検証と基礎的段階の調査を開始することに焦点化した。本研究では上述の目的の追究のため、文献調査、国内外インタビュー調査、および質問票調査の3種の調査活動を行うことを当初の計画としていた。このうち、2020年度は文献調査と国内インタビュー調査を実施した。 文献調査においては、実証的研究の蓄積がまだ少ない現状を鑑みて関連書籍を主な対象とした。米国では、大学執行部における国際担当上級管理職(Senior International Officers; SIOs)の位置づけと職以上の発展が1980年代より始まっており、それに伴い当該職に関する書籍を中心とした文献資料が蓄積されつつある。これらの書籍を中心として、米国大学マネジメントにおけるSIOsの誕生と組織上の位置づけ、役割、SIOsのスキルや資質等のプロファイルなどについて体系的な理解に努めた。その上で、米国で2000年代より開始されているSIOs調査に基づき、SIOsのプロファイルの変化の様相を把握したうえで、日本のSIOsプロファイル調査結果との比較を行う発表を行った。 インタビュー調査については、日本の大学における国際交流を牽引してきた国際化リーダーを対象としたインタビュー調査を2020年度前半に計画し、後半に実施した。インタビュー調査のデータ分析は次年度以降に行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、2020年度には文献調査、および国内外のSIOsを対象としたインタビュー調査を実施する予定であった。このうち、文献調査はWeb of ScienceやERICなど世界的な文献データベースを用いて本研究分野の研究蓄積を把握し、関連資料を収集してこれらの分析を行うことにより体系的な理解を得ることができた。文献調査の結果は学会発表につなげられる段階にまでまとめた。 インタビュー調査については、国内の国際交流担当者を対象とした調査を計画実施した。コロナ禍で出張など移動が制限される中、オンラインによるインタビューを実施することでおおむね計画通りの対象者にアクセスでき、インタビューを実施することができた。海外のSIOsを対象としたインタビュー調査は出張制限のため未実施であるが、国内インタビュー調査の結果を踏まえてオンラインを主体として来年度以降に計画検討することとする。 成果の発信については、本研究計画の初年度でありデータの蓄積を進める時期であったこと、またコロナ禍により特に2020年度前半は研究チーム各メンバーにおいて予定外の業務が重なったことなどの障碍もあったが、関連分野の研修や講演などの活動を通しての成果発信に切り替えて社会への発信に努めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍という未曽有の状況に直面した2020年度であったが、研究計画はおおむね当初予定の通りに進めることができた。そのため、今後の予定についても大幅な変更はせずに進めることができると思われる。インタビュー調査については2020年度実績をもとにデータ分析を進め、学会発表と論文の形でまとめることを計画している。2022年度前半には国内SIOsを対象とした質問票調査を予定しており、その準備を2021年度後半から開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は出張の制限による旅費使用予定の未実施である。国内外出張を伴う研究計画は、次年度以降に新型コロナウィルス感染の世界的状況を見つつ、翌年度助成金と合わせてインタビューや質問票調査の計画と作成を中心に使用する計画である。
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