前年度に収集したトンガ中等学校12年生の全教科のシラバス兼TFSC(Tonga Form Six Certificate) の指導書から教科編成、単元構造、学校外評価と校内評価の割合と内容を分析し、サモアのSSLC(Samoa School Leaving Certificate)および太平洋共通のPSSC (Pacific Senior Secondary Certificate)と比較することで、サモアとトンガにおける後期中等教育修了資格のリージョナル性とローカル化について考察を行った。その結果、ナショナルカリキュラムとの系統・整合性がローカル化に影響を与えることを明らかにした。 その内容を「オセアニア島嶼国サモアとトンガの後期中等教育修了資格試験のローカル化と共通性に関する予備的研究」としてまとめ、日本比較教育学会大会にて発表した。また、同内容を英訳して、9月にトンガ教育訓練省においてCEOおよび校長会の前で発表した。同様に南太平洋大学トンガキャンパスのRobin Haveaキャンパス長と同教員にも発表し、「中等教育のローカル化と高等教育にとっての中等教育のローカル化」の違いについての考察も必要とのコメントを頂いた。これを共同研究者のオークランド大学のTanya Samu上級講師と議論を行った。また、トンガ国立大学のTangikina Steen学長との意見交換により同教育学部の教育内容も分析対象にすることとし、情報収集と分析を進めた。 2月にキリバスにて現地調査を行い、12年生の全教科のシラバス兼KSSC (Kiribati Senior Secondary Certificate)指導書を収集、KSSCとPSSCの比較分析を行った。その結果、同国はローカル化の過渡期であることを明らかにした。 最終的にカリキュラムの制度的枠組みとしての地域的調和化モデルを提示した。
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