研究課題/領域番号 |
20K02609
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山田 浩之 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60258324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教員免許更新制 / 教員 / 教育政策 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナ感染症の流行により計画していた教員免許更新制に関わる教員などに対するインタビューやアンケート調査を実施することが困難であった。そのため、予定していた調査を繰り越し、2021年度に実施することとした。2020年度は調査の背景となる教員免許更新制に関する政策の変化について文献などの資料を用いて検証を行った。また、教員研究も含めた先行研究の検討を行い、理論的、方法論的な背景について検討を行った。さらに、すでに実施していた予備調査の分析をさらに進め、その結果にもとづき調査の具体的内容について精査した。 以上の結果は、これまでの教員調査の結果などを踏まえ以下のように報告を行った。まず、2020年10月に台湾教育社会学会にて"Teaching of Difficulties: The Life History of a middle School Teacher in Japan"として報告を行った。これは先に実施したインタビューにもとづき、新たな研究成果を加えたものである。日本の教員の置かれた現状について紹介し、多忙となる構造的原因や教員免許更新制などに見られる政策的な問題などについて検討した。 また、11月には中国四国教育学会にて「教員免許更新制をめぐる政策過程」を報告した。本発表では、教員免許更新制が成立するまでの政策の変化を検討するとともに、政策に対する批判を中心とした評価をまとめた。この報告は「教員免許更新制をめぐる政策過程」『教育学研究紀要』(CD-ROM版)第66巻、2021年として発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症の流行により、調査の実施は困難であった。その点では研究が滞ることになったが、政策過程についての検証を前倒しして実施することができた。また、調査についての準備などを十分に行うことも可能であったため、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には更新講習の機会などを利用してアンケート調査を実施する。コロナ感染症により調査規模は縮小せざるを得ないが、インテンシヴな調査を実施することで、それを補う予定である。また、コロナ感染症の拡大がおさまれば、教員を対象としたインタビューを実施する。調査の結果は9月の日本教育社会学会の大会、また、11月の中国四国教育学会の大会で報告する予定である。
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