研究課題/領域番号 |
20K02612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 藤女子大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
伊井 義人 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10326605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女性教員 / 学校組織 / ライフイベント / キャリア形成 / 公正 / 職場環境 / オーストラリア / 北海道 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は遠隔地学校の女性教員が担うフォーマル/インフォーマルな役割を同僚性構築の側面から明らかにすることにある。豪州では日本と同様に特に遠隔地の教員の早期退職という課題に直面している。豪州との比較のために日本の遠隔地学校に勤務経験のある女性教員にも調査を実施した。初任期教員へのインタビューでは、職場環境・地域特性による、学校や地域との関わり方の違いが明らかになった。一方で、地域への適応プロセスの質にかかわらず、長期間、遠隔地で勤務し続けることは困難を感じていた。また、1990年代まで遠隔地学校に勤務していた元教員への面談からは現在とほぼ同様の原因による同僚性構築の困難性が明らかとなった。
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自由記述の分野 |
教師教育学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、遠隔地域における教員、特に女性教員の同僚性構築に向けた取り組みを豪州に加え、日本の動向も含めて考察してきた。豪州では、社会正義の視点を取り入れた教員養成コースの設置など、遠隔地学校にも質の高い教員を配置する取り組みが見られた。日本では学校のみならず地域にも適応できるかが、遠隔地学校での勤務に対する満足に影響を及ぼすことが明らかになった。このことからも、教員志願者に対する社会正義の意識向上だけではなく、遠隔地域への適応を促す包括的なプログラムの大学での開設などが、遠隔地学校における教員の同僚性構築に向けた第一歩であることを明らかにすることができた。
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