研究課題/領域番号 |
20K02615
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山崎 直也 帝京大学, 外国語学部, 教授 (10404857)
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研究分担者 |
日暮 トモ子 日本大学, 文理学部, 准教授 (70564904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 書院教育 / 書院 / 中国 / 台湾 / 香港 / マカオ / 教育改革 / 高等教育 |
研究実績の概要 |
2021年度は2020年度に引き続き、新型コロナ感染症の影響で中国・台湾・香港・マカオでの現地調査が不可能となり、研究の進捗に大きな影響が生じた。研究代表者の山崎は台湾とマカオ、研究分担者の日暮は中国について、文章または口頭でいくつかの研究成果を発表することが出来たが、資料の収集、現地の研究者・関係者との情報交換については、果たして大きな支障があった。 こうした中、2021年12月7日に、東京大学東アジア藝文書院との共同で公開ワークショップ「再興する書院―アジアからの新たなリビング・ラーニング・コミュニティ」を開催したことは、本研究課題の中間点として重要な意義があった。同ワークショップでは、東アジア藝文書院の石井剛氏が司会者、香港中文大学の張政遠氏がコメンテータを務め、日暮が中国、山崎がマカオの事例報告を行った。東京大学の内外から多様な関心を持つ研究者が参加し、中国語圏で展開するリビング・ラーニング・コミュニティとしての書院が持つ可能性と直面する問題について、活発な議論が展開された。 山崎は、2021年11月6日にアジア教育学会第16回大会の実施責任者を担当し、復旦大学高等教育研究所の陸一氏を招聘して、本研究課題との関連から「通識教育は何を教えるべきか?―中国エリート大学通識課程中堅教員のインタビューをもとに―」と題する基調講演を企画した。 また、研究分担者の日暮は、科研費基盤研究(B)「日本の高等教育における学寮の教育的展開と質保証を基盤としたプログラム開発研究課題」(研究代表者:安部有紀子、課題番号:19H01688)にも研究分担者として参加し、日本及び諸外国の大学の学寮について最新の知見を得るとともに、本科研の研究成果をフィードバックして、中華圏の事例をより大きな構えの比較研究の中に位置づけている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績欄にも書いた通り、新型コロナ感染症の影響で中国・台湾・香港・マカオへの渡航が不可能となり、現地での文献収集、聞き取り調査等がまったく実施できず、研究の進捗に深刻な影響が生じた。研究代表者と研究分担者は、各自、担当地域(山﨑は台湾とマカオ、日暮は中国と香港)の研究者、大学関係者と連絡を取り、現地情報のアップデートに努めたが、やはり限界があったと言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
中国・台湾・香港・マカオについては、引き続き厳しい状況が続くと考えられるが、渡航再開の門戸が開いた場所から、順次現地調査を再開する。渡航が不可能な間も、現地の研究者及び大学関係者との情報交換の機会をさらに増やし、オンラインでの研究イベントの開催も模索していきたい。同時に、比較研究の視点から、日本国内ないし他国で比較対象となる事例を検討し、可能であれば現地調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は前年度に続き新型コロナウイルス感染症の影響で研究の実施に大きな影響が生じ、国内・海外出張、海外からの書院教育関係者の招聘がすべて中止となった。2022年度は新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら国内・海外での現地調査を可能な範囲で再開するとともに、オンライン研究会、オンラインワークショップの開催を模索する。また、研究期間の延長も検討する。
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