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2023 年度 実施状況報告書

中台港澳における「現代書院制教育」の発展に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02615
研究機関帝京大学

研究代表者

山崎 直也  帝京大学, 外国語学部, 教授 (10404857)

研究分担者 日暮 トモ子  日本大学, 文理学部, 教授 (70564904)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード書院教育 / 教養教育 / 台湾 / 中国 / 香港 / マカオ / 高等教育 / 教育改革
研究実績の概要

2023年度は、研究代表者の山崎が台湾とマカオ、研究分担者の日暮が中国と香港の大学の教育(書院教育、教養教育)に関する調査を継続し、その成果を発表する一方で、2023年7月と10月に台湾の国立成功大学歴史学系からゲストスピーカーを招き、同大学が実践する全学必修のフィールドワーク科目「踏溯台南(台南を歩く)」を主題とする公開の研究・教育イベントを共催することが出来た。3千人の新入生が大学の所在地である台南でのフィールドワークに取り組む全学必修科目「踏溯台南」は、教養教育改革の実践として台湾で大きな注目を集めており、本研究課題が主題とする書院教育にも少なからぬ影響を与えている。7月に九州大学西新プラザで国際教育フォーラム、10月にアジア教育学会第18回研究大会(日本大学文理学部)と早稲田大学台湾研究所(会場は東京大学駒場キャンパス)で関連公演を実施したが、その内容は日本の大学教育に対する刺激的な問題提起を含むものとなった。アジア教育学会での基調講演は、2024年度中に同学会の紀要『アジア教育』に掲載される予定である。2024年3月には、Covid-19以降初となるマカオ大学の書院(Residential College)の調査も再開され、4年間の空白期を経て、変化した書院教育を観察することが出来た。また、2月には、日本国内での関連する実践として秋田県の国際教養大学でもテーマ別ハウスの調査を行った。総じて、引き続き大きな制約はあったものの、再延長の次年度に繋がる研究を行うことが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

中国・台湾・香港・マカオの書院教育について文献調査は進んでおり、中国・台湾・香港・マカオの教養教育改革、日本国内における関連事例の調査と当初の想定以上に研究の幅も広がっているが、本研究は当初段階から、Covid-19によって、現地大学での視察、関係者への聞き取りに大きな支障が生じている。このことは、「学び」と「生活」を融合させる高等教育の改革の取り組みを主題とする本研究にとって致命的な損失である。現在、混乱状況は次第に収束しつつあり、台湾・香港・マカオでは現地調査も可能となっているが、中国への渡航並びにフィールドワークの実施については、依然として一定の制約がある。2022年度末に当初の研究期間終了時期から1年の延長を行ったが、十分な研究成果を挙げるためには、再度の延長が必要であると判断した。

今後の研究の推進方策

比較的自由に現地調査が行えるようになっている台湾・香港・マカオの事例を中心に研究を深めつつ、様子を見ながら中国の調査を進めていく。同時に、日本国内、韓国、シンガポールの関連する取り組みにも目を向ける。足かけ5年間の研究を総括し、関連学会での口頭発表、論文投稿を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

引き続きCovid-19の影響があり、研究代表者及び研究分担者の中国での現地調査、並びに現地からの招聘に大きな支障があったため。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 人文系大学院の問題点と英語による教養教育の可能性―帝京大学外国語研究科超域文化専攻の場合2024

    • 著者名/発表者名
      大野雅子、大田浩司、江原裕美、藤森弘子、ブラッドリー ・ジョフP. N.、佐藤伴近、松岡美里、山崎直也、原智弘
    • 雑誌名

      帝京大学外国語外国文化

      巻: 15号 ページ: 1-42

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 台湾の大学の生成AIとの向き合い方―新たな学習スタイルの可能性―2024

    • 著者名/発表者名
      日暮トモ子
    • 雑誌名

      教職研修

      巻: 2024年3月号 ページ: 112-113

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評 澤谷敏行著『現代中国高等教育の躍進―急速な大学発展の要因』2023

    • 著者名/発表者名
      山崎直也
    • 雑誌名

      中国研究月報

      巻: 908号 ページ: 40-41

  • [雑誌論文] 図書紹介 劉麗鳳著『中学中退:中国農村中学校の生徒と教師のエスノグラフィー』2023

    • 著者名/発表者名
      日暮トモ子
    • 雑誌名

      アジア教育

      巻: 17巻 ページ: 133-134

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 国境・境界地域における教育旅行の意義に関する一考察―金門島・対馬を事例として―2023

    • 著者名/発表者名
      山崎直也、森下稔
    • 学会等名
      日本比較教育学会第59回大会
  • [図書] RA(レジデント・アシスタント)のためのトレーニング・ワークブック2024

    • 著者名/発表者名
      安部有紀子・蝶慎一・北澤泰子・小野詩紀子・黒沼敦子・澤田涼・下之門直樹・竹川清美・南玉瓊・日暮トモ子・丸山侑子
    • 総ページ数
      72
    • 出版者
      名古屋大学高等教育研究センター

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公開日: 2024-12-25  

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