保育室に吸音材を設置して音環境を改善し、前後の子どもの行動を比較検討した。研究1では、集団形成および独り遊びについて、設置前後に調査をおこなった。音環境の改善後、小集団に参加する人数と独り遊びが有意に増加し、徘徊行動が有意に減少した。研究2では、子どもの会話を近傍で録音し、発話の関連性を分析した。その結果、静かな音環境においては発話長が有意に長かった。また、静かな音環境においては、相手の発話に対して関連性の高い応答が多く得られ、さらに自分の言葉を反復する発話が減少した。研究3では、抑制機能課題を実施したほか、私的言語を記録し、それらの環境による変化を分析中である。
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