研究課題/領域番号 |
20K02660
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
渡部 基信 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30649306)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 睡眠ログ / 生体データ / 結果のフィードバック |
研究実績の概要 |
エコチル調査に参加している木津川市近郊の小学2年生の児童(681名)とその保護者を対象に、児童の睡眠に関する自記式質問票調査(記名)を実施した。保護者には10分程度で記入できる質問票への回答に加え、2週間分の睡眠パターン(睡眠ログ)を記録してもらった。エコチル調査の来館時に、今回の調査の説明を行い、同意を得られた参加者を本研究の対象者として、自記式質問票調査と睡眠ログを配布し、調査票の回収は、当センター宛てに郵送してもらった。コロナウイルスの流行期にも関わらず、85名の睡眠ログ及び質問票のデータを得ることが出来た。 また今回の調査児童の中からさらに参加を募り希望者の中から任意抽出し、ウェアラブル生体センサーによる睡眠の解析を研究で計画している。当初はスマートウォッチあるいは衣類接着型生体センサー、(心拍・活動量・睡眠をチェック)を予定していたが、成人より小さい子どもに対しては不適当であることが分かった。また、解析するソフトのライセンス料などが高額で、研究費が不足する可能性も出てきた。そのため、新たに生体センサーを探すことになった。数々の検討を重ねた結果、身体に接着するタイプの既存の生体センサー(Silmee)に変更することにした。 得られた児の個別の睡眠パターンに関する結果について、個人レベルと全体レベルでの結果をフィードバックし、睡眠に影響を与えている要因と共に、子どもの睡眠衛生改善のための、今後の資料として活用していただくようにした。迅速な調査結果返却を参加者に行うことが出来た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルスの流行期にも関わらず、85名の児童の調査票と睡眠ログ(2週間の睡眠パターン)を得ることが出来た。科研費で採用した研究補助員によりデータの収集や保存も適切に行われている。 さらに、生体センサーは当初予定していたデバイスが、子どもでは使用困難など不具合が多かったため、変更する必要あることがわかった。検討を重ね、目的に合う新しいセンサーを見つけることができた。今回採用するセンサーは以前予定していた製品よりよく、さらに解析ソフトも付属している。その解析ソフトの機能を使うことによって、参加者への返却データの容易に作成することが期待できることが分かった。 初年度に研究のシステムをほぼ構築できた。研究参加者も確実に増えており、初年度終了時の今、順調にデータを集めることが出来るようになった。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナウイルスの流行期にあり、京都は緊急事態宣言中である。子ども達の調査のために、当研究センターへの来館が必須であるが、それもできない状態である。しかし、緊急事態宣言が開けて、調査が可能になれば、今年度は160人以上の児童の予定があり、生体センサー(Silmee)を購入し、これによる調査も80名予定している。調査が再開出来る準備は整っている。 どうしても出来ない時には、オンラインでの方法も検討してみる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの流行期になり、当研究センターも、初年度2度の緊急事態宣言が出され、研究が出来ない状態が続いた。そのため、当初より予定した人数の調査が行えなかった。 生体センサーが当初予定したものは、子どもでは不適当であることがわかり、また解析ソフトが高額なため、購入をあきらめた。そのため、物品費が0円となった。代替品のセンサーを(Silmee)見つけたため、次年度はそれを購入する予定である。 今年度までは謝礼としてクオカードを使用していたが、大学の内部の規定で不可能になり、次年度は図書カードを渡すことになった。
|