研究課題/領域番号 |
20K02664
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20549620)
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研究分担者 |
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
岡野 維新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10824021)
池内 由子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (60824779)
山口 正寛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90583443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ライブコーチング / 心理教育 / 親子支援 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,実際に親子で遊ぶ場面において,養育者に子どもとの関わり方をリアルタイムで伝えるライブコーチングを組み入れた子育て心理教育プログラムを開発し,その効果を検討することである。 令和3~4年度の研究目的は,当該の心理教育プログラムを開発することであった。この目的達成のため,令和3年度は,これまで開発されたペアレントトレーニングにおける子どもとの関わり方のスキルや手法等を整理した。その結果,複数のペアレントトレーニングにおいて,まず子どもとの良好な関係構築のスキルを学び,その上で効果的な指示の出し方を学ぶ構成となっていることが示された。また,養育者同士のロールプレイやディスカッション,自宅での実践等,より体験的に学ぶ手法が採用されていた。これらの知見に基づき,本研究のための心理教育プログラムを構成した。本研究課題の最終的な目標は,プログラムの実施回数を少なく設定した,より利用度の高いプログラムの開発である。よって,複数回のトレーニングの必要がある指示の出し方は本研究のプログラムには含めず,子どもとの良好な関係構築のみに焦点を当てたプログラムを考案することとした。プログラムは,(1)プログラム実施者である研究代表者が養育者に対して,子どもと良好な関係を作るためのスキルを口頭で説明した後,養育者とスキル使用のロールプレイを行う,(2)その後,親子で遊ぶ場面を設定し,養育者が(1)のスキルを使用できるようライブコーチングを行う2部構成とした。作成したプログラムを2~7歳程度の子どもとその養育者1組を対象に実施し,現在も継続して実施対象を募集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の心理教育プログラムの考案までのスケジュールは,概ね予定通りであった。しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,参加者募集が難航し,現在も困難な状況が続いている。研究同意を得た後も,感染への不安から,研究実施日の延期や,最終的には同意撤回に至る場合があった。オンラインでのプログラム実施を検討したものの,参加者にオンライン実施のための設備準備を求めることやライブコーチングの難しさ,自宅を撮影することへの抵抗感等が想定されたため,対面実施を継続することとした。実施できた親子は1組で,非常に少ないデータであるが,ライブコーチング時の親子の発話を観察すると,使用頻度の高いスキルとさほど高くないスキルがある可能性が確認できた。スキルの使用頻度の差は,先行研究と一致する結果であった。1組のデータではあるが,発話量や発話内容の変化等を検討することで,本プログラムの内容検討に活用できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響により,参加者募集が難航しているが,引き続き,募集を続ける。現在の募集方法では十分に参加者が集まらない可能性が考えられるため,新たな研究協力機関に参加者募集の協力依頼を行い,同意を得ている。令和4年5月中に募集を開始する予定である。 上記に加えて,現在得られている1組のデータについて,ライブコーチング中の養育者と子どもの言語的・非言語的行動を事例的に検討することを予定している。一事例ではあるが,量的・質的な変化を詳細に確認し,本プログラムの内容検討に活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,新型コロナウイルス感染症の影響により,学会がオンライン開催となったため,旅費を使用しなかったことが挙げられる。また,参加者募集が難航し,謝金の支払いがなかったためである。 使用計画としては,R4年度は,関連学会の開催形態が対面となる予定であるため,学会参加の旅費として使用したいと考えている。また,新たな研究協力機関に参加者募集の協力依頼を行う予定であるため,参加者への謝金の支払いが発生すると見込んでいる。
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