研究課題/領域番号 |
20K02671
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研究機関 | 愛知学泉短期大学 |
研究代表者 |
児玉 珠美 愛知学泉短期大学, その他部局等, 教授 (70352870)
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研究分担者 |
大嶽 さと子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (10611436)
神崎 奈奈 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30708665)
宇都木 昭 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (60548999)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | motherese / 乳幼児への語りかけ方 / 男性保育者 / 音声分析 |
研究実績の概要 |
乳幼児に語りかけるIDS(Infant-directed-speech)に表出されるマザリーズは、乳幼児にとって言語発達のみでなく、情緒や社会性の発達に効果があることが多くの研究で実証されている。マザリーズ的な表出は性別年齢に関係なく、男性の対乳幼児発話においても表出されるが、男性のマザリーズ特徴表出への関心は低い状況である。母親のみでなく、父親や男性保育者による子育て支援の意識を高めていくためにも、男性の対乳幼児発話に関する研究を進めていく必要があると考えられる。本研究においては、保育現場の男性保育者の対乳幼児発話(IDSに)の音声分析を通して、男性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ特徴表出を明らかにすることが目的である。2021年度の研究計画においては、1.女性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ特徴の有無の検証2.男性及び女性保育者の対乳幼児発話の比較をすることが予定されていた。コロナ禍の状況の中ではあったが、女性保育者の対乳幼児発話音声及び対大人発話音声を録音することができ、男性保育者の対乳幼児発話音声及び対大人発話音声との比較を、マザリーズ的特徴表出という視点で比較することができた。成果は下記論文に記述されている。 児玉珠美・佐々木典彰・尾関恵子・神崎奈奈・大嶽さと子・内山伊知郎 「乳幼児への語りかけ方「マザリーズ」とは何かⅡ―多様な視点での検討-」日本保育学会第74回発表論文集J-E-4 令和3年5月16日 神崎奈奈・児玉珠美・宇都木昭・大嶽さと子「男性保育者のマザリーズ表出特徴に関する研究(2)」日本保育学会第74回発表論文集P-B-7-11 令和3年5月15日
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究活動は、対乳幼児に対する発話音声及び大人に対する発話音声録音データが不可欠な研究材料となる。コロナ禍のため、対面での研究活動が困難となり、データ収集が進まなかった。男性保育者、女性保育者の対乳幼児発話音声と対大人の発話音声はすでに収集分析できていたが、母親の音声録音が実施できず、最終的な比較を通して、男性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ的特徴について検討することができていない状況である。母親の対乳幼児発話及び対大人発話の音声録音が残された課題となっている。さらに、研究成果として論文にまとめ、海外ジャーナルに投稿することも計画していたが、音声データ収集が遅れているため、困難な状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
母親の対乳幼児発話及び対大人発話音声録音をできるだけ進めていきことが直近の課題とっている。すでに母親への研究協力を自治体に依頼している状況である。今後は、母親の音声データが収集でき次第、分析に取りかかり、母親、女性保育者、男性保育者の3者間の対乳幼児への語りかけ音声の比較を通して、男性保育者の対乳幼児発話におけるマザリーズ的特徴表出について明らかにしていく。2023年度には、研究成果を海外ジャーナルに投稿し、著書としてまとめることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の科研費助成期間は、2022年度3月までとなっている。当初計画より最終年度の使用額が多額となった理由として、コロナ禍の影響を受け、対面の研究活動が困難となり、そのための研究費の支出がなかったことが挙げられる。結果、成果をまとめることも困難となり、論文として海外ジャーナル等への投稿もできなかった。それらにかかわる諸費用の支出が本年度はなかったため、次年度使用額が多額となっている。
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