研究課題/領域番号 |
20K02686
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
高 向山 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (60410495)
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研究分担者 |
山際 勇一郎 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (00230342)
梅崎 高行 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (00350439)
若尾 良徳 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70364908)
小湊 真衣 帝京科学大学, 教育人間科学部, 講師 (60742731)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保育のICT / 新型コロナウィルス / 全国意識調査 / 選択的情報格差 |
研究実績の概要 |
1,2020年度に実施した全国調査の結果を①日本教育心理学会第63回総会(題目:保育のICT化に関する幼児教育現場の意識について:全国調査からの一考察)と,②日本子育て学会13回大会(題目:保育のICT化に関する全国意識調査:新型コロナウィルスの影響による考え方の変化有無に関する回答からの一考察)にて,それぞれポスター発表を行った。①では,私立園では約25%を占める割合でICT未導入との回答を得ており,「導入に際して十分な知識や研修がない」「導入の初期費用」「導入後の運営費用」「作業できるPCなどが少ない」「必要性を感じない」と「入力作業が大変」の6つが上位を占めた。社会経済規模に起因する経済的・技術的等の理由(山中,1999)からICTの導入に経済格差と情報格差が,幼児教育の現場でも生じていることが確認された(高ほか,2021)。②では,コロナ禍による意識の変化有無について,全体の3割近くはICT未導入かつICTを用いた保育について考え方が変化してないということが明らかとなった。保育におけるICT不要論を選択する理由について,私立園でICT未導入と回答した380ヵ園のうち自由記述回答のあった66ヵ園を対象とし,「現場満足」「不適切」「スキル・知識不足」「人員・時間不足」「資金不足」の5つのカテゴリーに分類して分析を行った。園の種別ごとの分析では現在行われている保育に満足しており,それゆえにICTは保育に不適切と考える様子がうかがえた。逆説的に考えると,現在の保育に不満が生じるような状況に陥った場合,ICTに対してどのように意識が変化しうるのかについて追跡調査を行う必要があるといえる(高ほか,2021)。 2,上述の全国調査から園の個人情報について回答を得た174ヵ園に対して,同一内容による追跡調査を行った。115ヵ園より回答を得て,回答率は約66%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質問紙調査に関しては新型コロナウイルスによる影響がほとんどなかった。しかしながら、対面で実施する予定をしていた学生を対象とした実践研究については、オンライン授業に切り替えることにより、実施が難しくなり、遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今回得た追跡調査内容を分析して、学生や現場職員に対して保育のICTの利用についてどのような技術的なサポートが必要なのかを明確にするとともに、対面実施の状況が叶えば、授業等にて試行的に実践する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動自粛により、学会発表や研究打ち合わせなどの出張が縮小されたため。
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