研究課題/領域番号 |
20K02693
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
高瀬 淳也 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60780418)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 極小規模保育所 / 運動あそび |
研究実績の概要 |
極小規模保育所等の多くは,同年齢や前後の学年の友達が極めて少ない環境にあり,運動遊びに適した人数の確保が困難である。このため,個々の遊びが多くなり,運動遊びが発展せず多様な動きを経験させられないことが考えられる。加えて,極小規模保育所等の卒園児が通う小学校の多くも小規模化しており,体育の授業で集団技能の学習に制約が生じるなど,常に集団をベースとした活動に支障が生じていると言える。そこで,①幼児期を対象に少人数でも可能な運動遊びの開発,②幼児期から児童期にかけての運動遊び・運動指導の体系化を試み,少子化の進行に伴って小規模化が進む保育・教育機関に有効な資料を提示することを本研究の目的としている。 2021年度も,新型コロナ感染症の影響により調査を予定していた協力保育所から中止または延期の申し出があり,1ヶ所のみの調査となった。極小規模保育所の自由遊びの時間における基本的な動作の種類と頻度について調査の結果,『たつ』『はしる』『あるく』『のぼる』の動作は,対象幼児に多く見られ,これらの動作は保育所の規模を問わず,幼児にとって多い動きと考えられた。また,対象保育所に設置されている遊具や保育士の積極的なはたらきかけによって,幼児の動作の出現を促すことにつながっており,極小規模保育所では特に動きの発現に有効であることがわかった。その一方で,複数あるいは集団遊びのような場面で見られる『くむ』『かわす』『かくれる』などの動作は,本研究でほとんど見ることがなく,少人数の影響によるものと考えられる。また,『なげる』『とる』『ける』『かわす』のような動作もほとんど出現がなかった。これらの動作は小学校の体育授業において必要な動作であることからも,2022年度ではこれらの動きを発現させる運動遊びの開発に取り組んでいく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査予定をしていた保育所が,新型コロナ感染症で休園や外部の立ち入り制限となることが繰り返しあり,調査が1回にとどまっている。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度,調査を行った保育所については引き続き,実態調査や少人数でできる運動遊びの開発,実践を行っていく。他に新たな保育所の協力を得ることができたことから,その保育所でも同様の調査や運動遊びの開発を行う予定である。また昨年度,運動あそびの調査を行った幼児が就学したことから,当該小学校にも調査協力を依頼し,縦断的調査も行い,研究をまとめていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査保育所や小学校への旅費,遊具の開発費(材料費を含む),学会発表の旅費等の執行を予定している。
|