研究課題/領域番号 |
20K02694
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研究機関 | 秋草学園短期大学 |
研究代表者 |
江本 全志 秋草学園短期大学, その他部局等, 准教授 (90333129)
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研究分担者 |
浅井 拓久也 秋草学園短期大学, その他部局等, 准教授 (10780570)
鳥海 弘子 秋草学園短期大学, その他部局等, 講師 (80784892)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保育所実習 / Web / オンライン実習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保育分野において、コンピュータ技術を用いて保育所実習の授業に関わる学生・教職員の作業や管理などを効率化することである。「Web技術を用いた保育所実習の実習日誌とその指導の電子化」、「人工知能技術による実習者全体の満足度が高い実習先の決定」、「教職員の実習巡回と実習生の実習状況のICT管理」の3つのテーマの研究を行なっている。本年は、保育所実習の負担なことや効率化したいこと、特に実習日誌とその指導、実習巡回、実習先の決定について、教員にアンケートなどで調査を行なった。また、オンライン実習の可能性などについて調査し、大学紀要と日本保育学会大会で発表した。「Web技術を用いた保育所実習の実習日誌とその指導の電子化」については、iPhoneやiPadのアプリとして、LINEのようなメッセージ機能をベースにした日誌の提出やPDFファイルの書き込みなどができるシステムを目指すことを決め、システム構築のためGoogleのFirebase、PDF書き込みのためのツールなどを調査した。また、保育所実習の指導に必要なコンテンツ開発制作のための資料収集などを行なった。「人工知能技術による実習者全体の満足度が高い実習先の決定」については、実際の学生のデータでは個人情報を含むため、まずはダミーデータを用意し、そのデータで実験を行なっていくことを決めた。「教職員の実習巡回と実習生の実習状況のICT管理」については、VPS上にWebサーバを構築し、Googleのアカウントによる認証ができるように実装し、地図データOpenStreetMapや交通経路探索の駅すぱあとWebAPI、WebサーバでのPDFファイルの生成などを調査した。成果の一部を大学紀要で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者は本学の情報センター長の職務にも就いており、新型コロナウイルスにより、本学においてオンライン授業が開始され、オンライン授業を管理するシステムの構築・運用に多くの時間が必要となった。さらにオンライン授業の準備などで負担が増加し、十分な研究時間を確保することが困難であった。同様に新型コロナウイルスにより、保育所実習が中止となり、調査などにも影響を受けた。以上の理由により、現在までの進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の3つの研究テーマについて、それぞれのシステムのプロトタイプの完成を目指す。保育所実習に関する調査やオンライン実習についての調査は継続して進める。「Web技術を用いた保育所実習の実習日誌とその指導の電子化」におけるタブレット端末を用いた実験において、研究分担者が所属する学科ではタブレット端末を用いた実験の学生管理が困難であることから、新たに研究分担者の学科とは異なる本学の学科に所属する教員を、タブレット端末を用いた実験の学生管理等を担当する研究分担者として追加する予定である。学生にタブレット端末を貸し出し、システムのプロトタイプ制作のための調査、プロトタイプ完成後の実験の協力をお願いする。また、当初は保育所実習での実験を考えていたが、保育所実習の評価は学生にとって保育士の資格取得に大きくかかわり、本研究の実験により資格取得に影響があってはならないことから、保育所実習では実験を行なわず、保育所に関わる授業やゼミナールなどで実験を行なう。システムのプロトタイプの開発及び開発補助、保育所実習の指導に必要なコンテンツ開発・制作及び開発補助に関して、研究協力者に委託し、作業を開始する。保育所実習に関するアンケート調査において、新型コロナウイルスの影響や保育所実習巡回の負担から、オンラインでの保育所巡回の要望があった。今後のことを考え、インターネットを経由した録画・録音可能なビデオ通話システムやオンライン巡回管理システムの構築を検討していく。また、学生が実習日誌を書くためには、保育所実習中のできごとをメモしておく必要がある。その作業の負担を減らすために、システムの新たな機能を追加する。腕時計型ウェアラブル端末を活用し、保育所実習中のできごとを音声で記録し、そのデータをタブレット端末などで共有できるシステムの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は本学の情報センター長の職務にも就いており、新型コロナウイルスにより、本学においてオンライン授業が開始され、オンライン授業を管理するシステムの構築・運用に多くの時間が必要となった。さらにオンライン授業の準備などで負担が増加し、十分な研究時間を確保することが困難であった。本研究のシステムの構想や構築が遅れ、その進み具合に合わせるため、タブレット端末は予定の台数を購入せず、システム開発などの開発協力者への報酬などが本年度使用できなかった。また、新型コロナウイルス流行のため、研究調査のための旅費が予定していた通りには使用できなかった。次年度は、本年度行なう予定だったシステム開発及び開発補助を委託し、開発協力者へ報酬を支払う。また、保育所実習の指導に必要なコンテンツ開発・制作及び開発補助に対して、開発協力者へ報酬を支払う。次年度、タブレット端末を複数台追加で購入する。システムに腕時計型ウェアラブル端末を活用した機能を追加する予定であり、腕時計型ウェアラブル端末を複数台購入する予定である。腕時計型ウェアラブル端末の購入に伴い、追加で購入するタブレット端末の台数を変更する可能性がある。研究調査のための旅費の使用については、今後の新型コロナウイルスの状況が予想できない状況であるため、未定である。その他、サーバの運用費用、図書購入、タブレット通信費など、予定通り次年度使用する予定である。
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